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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20030904i112.htm
南アルプス南部の御池山付近(長野県上村)に残る半円型の地形が、いん石によるクレーターの可能性が高いことを、同県飯田市立竜丘小学校の坂本正夫教頭と岡山理科大学の研究チームが確認、4日、国立極地研究所(東京・板橋区)で開かれた国際太陽系シンポジウムで発表した。
国内にはクレーターかどうか議論中の地形はあるが、確認されたのは初めて。
「御池山インパクトクレーター」は、直径約900メートル。崩落するなどして、円形の約40%が山の尾根沿いに残存している。クレーター内で見つかった石英の分析などから、2―3万年前に直径約45メートルの小惑星が衝突してできたクレーターと推測された。
坂本さんは地質学が専門。20年前にここで従来の地質研究では説明がつかない半円形の地形を発見。25か所の岩盤から、特殊な構造をした石英を見つけ、岡山理科大に分析を依頼した。
同大でレーザー光線を使って調べたところ、いん石などの強烈な衝撃を受けた場合にできる、「衝撃変形」構造の石英を含むことを確認した。衝撃変形は、大きな衝撃で石英結晶が100―200分の1ミリ単位で切断された状態のこと。その地形がクレーターであることを裏付ける有力な証拠とされている。
奥野正幸・金沢大学教授(鉱物学)は「クレーター特有の構造を持った石英の発見は興味深い。これを機に、国内のクレーター研究が進むのではないか」と話している。
◆クレーター=惑星などの表面に見られる、円形にくぼんだ地形のこと。いん石の衝突などが原因でできることが多い。いん石が原因の場合は、地球にない鉱物や、巨大な力によって変性し、特殊な結晶構造を持つ鉱物などが見つかることが多い。
(2003/9/4/21:28 読売新聞 無断転載禁止)