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宮城県連続地震は三度の強い揺れが続き、役場の災害対策本部や避難施設が甚大な被害を受けた。被災民の心のよりどころとなり、復旧の要を担う公共施設が受けたダメージは、東海地震対策で求められる公共施設の緊急耐震化と地域住民への耐震性リストの公表が、いかに欠かせないものかを浮き彫りにした。
被災地の鹿島台町を訪れた。
商店街が営業を再開、活気を取り戻しつつある一方で、商店街はずれの町役場は玄関のガラスが大破し立入禁止になっていた。町は二十六日未明、災対本部を設置したが、同日朝の本震で庁舎は柱や壁に亀裂が入った。「怖くて町民からの電話の応対もままならない」(職員)ため、近くの分庁舎に本部機能を移したのだという。
本庁舎は新建築基準以前の一九六二年の建設。九七年の耐震診断で抜本的補強か建て替えが必要だと分かっていたため、耐震性に優れた分庁舎の使用は想定済みだった。
だが、職員は入れ代わり立ち代わり本庁舎を訪れ、腰をかがめて書類や資機材を持ち出した。町民への防災情報無線の放送はヘルメットをかぶった担当者が壊れた庁舎の放送室に入りマイクを握る。発災時、代替施設への機能移転は想定通りにいかなかった。
矢本町役場も庁舎の壁にひびが入り、災対本部を駐車場の仮設テントに移した。鹿島台町役場に隣接した町立国保病院も柱や壁に亀裂が入り、入院患者は近くの特別養護老人ホームへ移ってもらった。河南町でも、公立深谷病院で柱の鉄筋が露出し病棟を閉鎖した。
避難所となった体育館の天井が余震で壊れ、住民が避難所からの避難を強いられる事態が南郷町であった。それでも、町営住宅で独り暮らしの桜井トメ子さん(74)は、体育館のいすに腰掛け「友達がいて、皆がよくしてくれるここは本当にありがたい」と笑顔を見せてくれた。
静岡県防災局によると、七十三市町村のうち二十四市町村が庁舎の耐震性が劣るなどの理由で、警戒宣言や発災に対応する本部機能を代替施設に移す。県は「東海地震対策で役場の本部機能の停止はあり得ない」と説明する。だが、市町村が指定する避難所千三百十三カ所のうち百一カ所は耐震性に問題があり、三百六十三カ所は東海地震に耐えられるかどうか不明だという。
鹿島台町立国保病院は二十八日に外来診療を再開した。中沢淳事務局長(51)は「危機管理マニュアルを備え訓練してきたが、ここまでのダメージは想定できなかった。患者にけが人がでなかったことが何よりだった」。入院患者の再受け入れのめどはまだ、立っていないという。(2003年東海地震取材班)