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Office 2003に「鍵」導入-ユーザーは羽交い締めでアップグレードへ?
http://www.asyura.com/0306/it01/msg/852.html
投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 9 月 04 日 23:55:59:WmYnAkBebEg4M

エンタープライズ:
Office 2003に「鍵」導入-ユーザーは羽交い締めでアップグレードへ?
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20060741,00.htm

2003年9月3日(水) 17時11分

 オンラインでコンテンツを配信する、音楽や映画その他の業界各社が、
不正コピーを防止する強靱な方法を考案しようと急ぐなか、米Microsoft
はデジタル権利管理(Digital Rights Management:DRM)技術を全く新し
い領域に適用しようとしている。その領域とは、個々のユーザーのデスク
トップだ。

 Office 2003は、市場を独占している同社のOfficeスイートのアップデ
ート版で、まもなく発売予定である。そのOffice 2003に、今回初めて、
作成した文書ファイルへのアクセスを制限するツールが導入される。これ
により、ユーザーは、たとえば表計算シートの読み込みや修正を実行でき
る人物を指定したり、ファイルのコピーや印刷を禁止したり、または保存
期限を設定できるようになる。

 この技術は、Windows Rights Management Servicesの普及を狙う
Microsoftの計画のなかで、最初の大きなステップとなる。 Windows
Rights Management Servicesは、情報にアクセス制限をかけることを、標
準的なビジネスプロセスの一部とするための、広範囲に渡る計画だ。

 アナリストによると、これはMicrosoftがサーバソフトの売り上げを押
し上げるために大いに必要としている新しいやり方であり、Officeの旧バ
ージョンを含めた競合ソフトウェアを締め出すチャンスでもあるという。
また、これまでOfficeのアップグレードを見送ってきた企業に、今回こそ
アップグレードを行わせるための新たな理由を与えるものだ。

 「仮にOffice 2003が、これまでと同様に手直し程度のアップグレード
でしかないのなら、企業顧客に関心を持ってもらうのは大変だろう」とい
うのは、米Jupiter ResearchのアナリストMichael Gartenberg。「大半の
ユーザーにとっては、1995年に発売されたOffice95で、機能的には頂点に
達している。しかし、新しいサービスを提供するためのプラットフォーム
としてOfficeを使うなら、出来ることはまだたくさん残されている」
(Gartenberg)

 新しいDRMツールでは、Officeのさまざまなフォーマットに関して長年
維持されてきたインターオペラビリティが、ある程度犠牲になる。PCユー
ザーは、これまでならMicrosoft Wordの「.doc」フォーマットやExcelの
「.xls」フォーマットで保存した文書ファイルを、互換性のある別のプロ
グラムで開いたり加工することが可能だった。旧バージョンのOfficeや、
米Sun MicrosystemsのStarOffice、またはオープンソースのOpenOfficeな
どとも互換性があったのだ。しかし、Office 2003で作成しアクセス制限
をかけた文書ファイルは、Office 2003でしか加工できない。

 この点に関して、「確かに囲い込みの要素がある」と、Directions on
MicrosoftのアナリストMatt Rosoffは言う。「Microsoftは、ユーザーに
Officeを使ってもらいたい、しかもOfficeだけを使ってもらいたいと強く
願っている。そこで、他のソフトウェアには無いこれらの機能を、Office
に持たせたのだ」(Rosoff)

  Information Rights Management(IRM)というツールが、WordやExcel
を含むOfficeの全アプリケーションの、プロフェッショナルバージョンに
同梱される。

 IRMの各機能を利用するためには、MicrosoftのWindows Server 2003が
動作するサーバと、Windows Rights Management Servicesソフトが必要に
なる。このサーバソフトは、文書作成者が定めたパーミションのルールを
記録する。これを利用して、文書作成者は、たとえばその文書を見られる
ユーザーを指定したり、そのアクセス権の有効期限を決めたりできる。そ
して、作成者以外のユーザーがこの文書を受け取った際には、インターネ
ット経由あるいは企業ネットワークの内側からWindows Rights
Managementサーバに一時的にログインし、その文書へのパーミションがあ
ることを証明する。

 MicrosoftでOfficeのリード・プロダクトマネージャーを務めるDan
Leachは、DRMの機能をOfficeに組み込むという判断は、顧客との継続的な
話し合いに基づいたものだと説明している

  米Jupiter ResearchのGartenbergは、このようなサービスへのニーズ
は確実に存在するという。とりわけ、オフィスワーカーの以前よりも活発
に移動するようになり、さらにビジネス上重要な情報がパソコンに保存さ
れることが多くなっていることを、その理由に挙げている。

 サードパーティが開発する暗号化ソフトウェアなどのツールを利用して
も、文書ファイルの保護は可能だ。しかし、文章作成ソフトウェアに内蔵
されたツールを使うほうがずっと簡単で、使用される可能性も高いと、
Gartenbergを説明する。

 Directions on MicrosoftのRosoffによれば、権限管理情報を暗号化し
て文書ファイルに書き込むことには、妥当な業務上の理由があり、たとえ
ばソフトウェアのコードや文書の漏洩を経験したMicrosoftの苦労を見れ
ば、その理由がわかるという。

サーバ拡販を狙う

 Microsoftのほかの新技術と同様、IRMという新しいツールも、同社の売
り上げ増大に貢献する。ほぼ飽和状態にあるデスクトップ用アプリケーシ
ョン市場とは対照的に、サーバ市場には成長の余地が残されている。IRM
および拡張されたXML(Extensible Markup Language)機能は、ともに
Office 2003の最も革新的な部分であり、どちらも同社のサーバソフトを
利用するものだ。特に、IRMを動かすにはWindows Server 2003が必要だが、
今年発表されたWindows Server 2003は、企業間での採用があまり進んで
いない。

 「Officeには、すでにユーザーが必要とする可能性のある文書管理機能
がすべてある。そのため、さらに付加価値を付ける唯一の方法は、Office
を大きなシステムの一部にして、そのシステム全体で付加価値を着けるこ
とだ」(Rosoff)

 MicrosoftのLeachは、DRM機能を提供するのにWindows Server 2003を使
うのは、単にそれがもっともよい方法だからだと説明する。「顧客が気付
いた問題を解決するためには、Windows Server 2003の持つ能力の一部を
利用できる必要がある」(Leach)

 Leachはまた、Internet Explorer用の無料プラグインを提供して、アク
セス制限のかかった文書ファイルをブラウザー上からでも見られるように
すると述べた。

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