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経済状態・痴呆の有無… 高齢者個人情報を無断で電算化
http://www.asahi.com/national/update/0825/018.html
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岡山県倉敷市が高齢者を対象に10月に運用を始めるケアネットワーク
システムのため、対象の高齢者から、家族や近隣との関係のよしあし、精
神障害の有無、経済状態、生活習慣などを面接調査し、データを電算機に
入力して、ランク付けしようとしていることがわかった。市は緊急度に応
じたランクごとに訪問回数を設定するというが、調査の際、電算入力して
運用することや、自己情報の訂正などを求めることができる権利を告知し
ていなかった。
このシステムは、介護保険対象外のお年寄りをケアするのが目的。同市
の介護保険認定者約1万3000人を除く65歳以上の約6万3000人
を対象とする。家族構成や受給年金の種類、近隣住民との関係、痴呆(ち
ほう)の有無、酒やたばこといった生活習慣など、数十項目を入力して点
数化し、緊急度別に5ランクに分け、「毎月」「2〜3カ月に1回」「半
年に1回」などと訪問計画を作る計画だ。
昨年4月から、市営の基幹型在宅介護支援センター職員と、民間に委託
する25カ所の地域型在宅介護支援センター職員が高齢者宅を訪れて調べ
ている。7月末現在、約1万3000人に面接し、結果の打ち込みを終え
た。データを点数化する運用ソフトを調整中という。
面接で調査員が高齢者に渡したチラシには「地域で安心して暮らせるた
めの基礎となる日常生活の様子をお尋ねするものです」と書かれていたが、
電算入力し一元的に活用することには触れていない。
市作成の面接マニュアルによると、家族や近隣住民との関係について
「本人から聞いた情報、自分の判断を総合的に」「社会関係が薄くなって
いないか」などを報告することとしており、「悪い、と思ったら理由を具
体的に記入」することも求めている。
市によると、自由記述欄には「嫁との関係が悪い」「引っ越してきて間
もないので近隣との交流がない」などの記入があるという。
面接では「市がなぜ細かくプライバシーを聞くのか」などと途中で拒否
される例もあり、昨年度だけで拒否は約1000人いた。市は、拒否理由
や自由記述欄も含めて入力しているという。
宇野音平・市保健福祉局長は「情報収集は強制していない。問題がある
なら、収集済みの人に電算運用することなどを周知したい」と話している。
(08/25 15:32)