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(回答先: 27日から店頭などで配布へ ウイルス対策の無償CD(共同通信) 投稿者 シジミ 日時 2003 年 8 月 23 日 04:53:30)
ウイルス感染者に対して下される“社会的制裁”
http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0308/20/epc07.html
本当に怖いのは、ウイルスそれ自体ではなく、ウイルス感染者に向けられ
る“世間の目”かもしれない――。M氏は最近、こう考えるようになった。
本当に怖いのは、ウイルスそれ自体ではなく、ウイルス感染者に向けら
れる“世間の目”かもしれない――。
IT関連企業に勤めるM氏(27才)は最近、こんな感慨を抱くようになっ
た。彼にこの考えを抱かせたのは、ほかでもない、現在感染が取りざたさ
れているワーム、「Blaster」(WORM_MSBLAST)だ。
M氏がBlasterに感染したことが発覚したのは、8月19日のことだった。
同氏はその前の週、夏季休暇をとっていたが、自宅で利用するプロバイダ
は135番ポートを閉じるなどの処置をとっていた。このため、同氏の仕事
用ノートPCは、感染を免れていた。
だが、いく人かのBlaster犠牲者がそうであるように、M氏が感染したの
は休み明け、企業内ネットワークに接続したのとほぼ同時だった(記事参
照)。「MS03-026」のセキュリティホールを残したままの同氏のPCは、い
うまでもなく、容易にBlasterに感染した。
もっとも、当初はM氏のノートPCに、一見して問題はないようだった。
既報のとおり、Blasterに感染したPCはRPC(Remote Procedure Call)サ
ービスが異常終了するため、Windowsの再起動を求められる。だが、クラ
イアントPCによってはこうした症状が顕在化せず、ワームの存在に気付か
ずにいるケースもあるようだ。
だが、当然ながら“感染発覚”のときは、やってきた。
その瞬間を、彼はこう回想する。
「周り中の視線が、僕の席にふりそそがれていた。みんなは僕のPCを、
まるで放射能を撒き散らす核物質のような目で見ていた」。
それからというもの、周囲のM氏に対する反応は目に見えて変わってき
た。まず、M氏が同僚の席に近づくと「うわ、寄るな、ウイルスがうつる!」
という、こうした場合の常套手段ともいえるセリフが飛んできた。
無論、こうしたからかいは本気になって対応すべきものではなかったし、
また、自らのセキュリティ管理の甘さを思えば、そのような反応も受けい
れるべきだと思った。
しかし、そうはいっても職場の上司(40代)が、自らのPCをにらみなが
ら「……僕のPCの調子が悪いのも、君のウイルスのせいじゃないかね!」
と疑いの目を差し向けるのには、正直いって閉口した。その上司のPCは旧
式の低スペックマシンで、ウイルスに感染せずともレスポンスが悪いよう
な代物だった。
M氏は、なかばあきらめにも似た心境で、上司の猜疑心と恐怖のいりま
じった顔を見つめながら、「上司、それは、『想像感染』というやつです
よ……!」と、のどまででかかったセリフを、ぐっとのみこんだ。
またM氏はこの件で、新しい発見をした。それは、ひょっとするとウイ
ルスの感染速度より、人の噂の伝達速度の方がいくらか早いかもしれない
……と、いうことだ。
Blasterに関していえば、ウイルスの感染は“過去最速で”広まった。
ほかの有名ウイルスの時と比べると、たとえば「NIMDA」の時でさえ初日
の被害報告数は約100件だったし、「Badtrans.b」や「CODERED」の時でも、
それよりずっと少ない数字だった。しかし、Blasterは初日の被害数が、
200件に上った(数字はいずれも、トレンドマイクロの報告より引用)。
だが、M氏の周りで噂が感染した速度は、これを上回る勢いを見せた。
実際のところ、夏期休暇明けで初めて会った違う部署の先輩が、開口一番
「だめだよ、感染なんかしちゃ!」といったときには、寒気すらおぼえた
ものだ。
もっとも、こうした全ての出来事に、M氏は依然として耐えることがで
きた。――職場の同僚で、たまにIMで会話を交わす女性が、“あのセリフ”
を口にするまでは。
M氏はこの話になると、記者の視線を手でさえぎるようにしながら、心
を整理するように話した。「彼女は、ゆっくりと、抑揚のない声でこう言
ったんです。『……これからは、私にIMで話しかけるのをやめてくれる?
もしも、IM経由でウイルスに感染したら、いけないから』」。
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M氏に限らず、ウイルス感染はPCの大事なデータ・機能だけでなく、所
有者の築き上げた“周囲からの信頼”をも失墜させる。
さらにいえば、1人の感染者が出たことで、所属する企業の信頼をも失
墜させることもありうるだろう。たとえば、ワーム型ウイルス「Slammer」
にMicrosoft自らが感染してしまった時、世間の風当たりは強いものがあ
った。
現状、トレンドマイクロの元に寄せられた感染報告件数は、1351件。被
害は収束に向かっているが、新たな亜種(記事参照)の被害も122件確認
されるなど、依然として注意を要する状態は続いている。ちなみにM氏は
この件依頼、以前は面倒に思っていたWindows Updateでの更新を異常なま
でに行うよう心がけるようになった――と、いうことだ。
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Blasterに関する情報
[新崎幸夫,ZDNet/JAPAN]