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(回答先: Re: 【特集MSを監視せよ】MSの電子政府向けソース開示、狙いは「中国」にあり?-ZDNet 投稿者 愚民党 日時 2003 年 8 月 18 日 15:36:23)
パートナーとのより密接な協業がMSブラストか?
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7月、マイケル・ローディング氏が新社長に就任したマイクロソフトは、パートナーとのより密接な協業を掲げ、エンタープライズ事業の強化を図っている。新生マイクロソフトのカギを握る平井取締役に話を聞いた。
http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0308/16/epn01.html
日本アイ・ビー・エムのソフトウェア事業部長としてロータス、チボリ、インフォミックスの統合を指揮した平井康文氏が今年4月、鳴り物入りでマイクロソフトの取締役に就任した。日本IBMで将来の社長候補のひとりに数えられただけあって、一部報道はマイクロソフトの「次期社長候補」とはやしたてる。しかし、平井氏は「私はエンタープライズビジネスをやるためにマイクロソフトに入社した」と憶測報道を否定する。
「シアトル本社での研修中に、オフィスではくジーンズも買い、マイクロソフト流を学んだ」と笑う平井氏
ZDNet 先ずは、平井さんの担当される「エンタープライズビジネス」部門について教えてください。
平井 マイクロソフトでは、顧客セグメントをコンシューマーと企業に分け、さらに後者を大手と中堅・小規模の2つに分けています。私が担当しているエンタープライズビジネス部門は、大手企業700社とその関連企業を合わせた約2万社を直接担当する営業部隊で、金融、流通、製造、公共、および通信という業種別のソリューション本部があります。
先ごろ、電子政府戦略会議が開催され、米Microsoftの古川享バイスプレジデントが基調講演を行いましたが、業種ごとにソリューションを語る典型的な例といえるでしょう。
グローバルな組織という点から見れば、米国本社にはエンタープライズ&パートナーグループがあり、日本法人のエンタープライズビジネス部門もその傘下にあります。したがって、その機能の一部として大手パートナー企業とのアライアンスもわれわれが担当しています。
ZDNet 顧客を直接担当するということですが、マイクロソフトのビジネスモデルは直販ではありませんよね。どのように働きかけていくのでしょうか?
平井 かつてのマイクロソフトは、製品を開発し、イベントやセミナーでマーケティング活動を行い、大手ディストリビューターやパートナーを経由して販売する、どちらかといえば、デスクトッププロダクトカンパニーでした。しかし、われわれが今後目指していくのは、「エンタープライズソフトウェアソリューションカンパニー」です。
パートナーに対するトレーニングのような支援はもちろん重要で、今後も継続していくわけですが、それだけでは顧客からマイクロソフトが見えてきません。
やはり、エンタープライズのビジネスは、顧客の現場の声に耳を傾け、その痛みや抱えている問題を把握し、われわれが持っているソリューションの価値をきちんと訴求していく必要があります。別の言葉で言い換えれば、パートナーと二人三脚で大手企業にトータルソリューションを提供していくということになります。
パートナーと現場で協業ZDNet これまでにも主要なハードウェアベンダーらとは、コンピテンシーセンターの開設などで提携をしてきたと思いますが、そうした取り組みとどこが違うのでしょうか。
平井 パートナーの技術者を教育したり、ソリューションを検証するのは、いわばパートナーの「本社機能」とのアライアンスです。われわれはもう一歩踏み込み、彼らの業種別営業部隊と案件単位できちんと協業していこうと考えています。
ZDNet 今月上旬、日本ヒューレット・パッカードと協業を発表したばかりですね。
平井 日本HPとはコンピテンシーセンターも開設していましたし、SEのスキル向上のためにトレーニングも提供していました。また、共同でイベントやセミナーも開催していました。しかし、今回のアライアンスでは、協業を現場レベルまで拡大します。日本HPの現業部門である流通業や製造業を担当する営業部隊とわれわれの業種別グループが定期的にミーティングを行い、案件ごとに確認し、共同提案を行っていこうというものです。
また、新しい協業にはポストセールスのサポートサービスも含まれています。マイクロソフトの技術者が日本HPのサポートセンターに常駐するほか、日本HPの技術者をわれわれのレドモンド本社に派遣してもらうなどして、共同で顧客のサポートにあたろうとしています。
Interview:製品単体に価値なし! 企業にソリューションを訴求する新生マイクロソフト (2/2)
http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0308/16/epn01_2.html
ZDNet エンタープライズソフトウェアソリューションカンパニーへ移行するという構想はいつごろから始まったのですか?
平井 2000年1月にスティーブ・バルマーがCEOに就任し、その約半年後に米国本社では業種別の営業部隊が発足しています。
ZDNet バルマー氏とは既に会っていると思います。本題からは離れますが、どういう印象を持ちましたか。
平井 4月に入社して約1カ月間、レドモンドでトレーニングを受けたのですが、そのあいだにバルマーともミーティングを持ちました。彼はとても情熱があり、周囲を勇気づけてくれる人だと感じました。
また、話の中で、彼がそれまでに会った日本企業のCEOや役員の名前が次から次へと出てくるのです。その記憶力にも驚きましたし、それだけ現場主義なのだろうと感じました。彼に会った顧客の多くは、「また会いたい」と思っていただけるそうですが、その理由がよく分かりました。
ZDNet 日本法人で業種別の営業部隊がつくられたのはいつからですか。
平井 昨年度からです。今年度は、それを強化し、定着させる大切な時期であり、それが私の仕事だと考えています。
ZDNet 平井さんは「次期社長候補」と憶測報道されたこともありました。阿多前社長の突然の退任もその憶測に拍車をかけています。しかし、そうした一種の騒動は、顧客の信頼を勝ち取りたい企業としてはマイナスになりませんか?
平井 私はエンタープライズビジネスをやるためにマイクロソフトに入社しました。それ以外のことは考えていません。
7月1日の新会計年度から社長を務めるマイケル・ローディングは、ビジネスプロセスを改善し、製品やサービスの質を高め、人材も強化し、顧客から信頼を得られるパートナーにマイクロソフトを変えようとしています。
顧客が求めているのはソリューションZDNet そのためにはエコシステムが重要ですか? ローディング新社長は、機会を捉えてはそれを強調しています。
平井 はい、そうです。デスクトップソフトウェアは単体でマーケティングできました。新しいリリースやロードマップが、それだけで売りになるのです。
しかし、ほとんどの企業は、ソフトウェアを単体では購入していません。経営上の課題を解決してくれるソリューションを求めていて、そのために必要なITインフラとしてサーバやソフトウェアを決めていきます。経営から見れば、ソフトウェア単体では何ら価値がないと言ってもいいでしょう。われわれのソリューションは、パートナーらのサーバ、アプリケーション、あるいはシステム構築力と合わせ、トータルソリューションになって初めて価値を生むのです。
ZDNet 秋には新しいOffice Systemが登場します。例えば、その価値をどのように企業に訴求していくことになるのでしょうか。
平井 先ずは、「Information Rights Management」のフロントエンドツールとしてです。Office SystemとWindows Server 2003に組み込まれるWindows Rights Management Servicesと連携させることで、企業は機密性の高い情報を容易に保護することができるようになります。アクセス権とポリシーの管理はサーバベースで行われ、文書の転送、複写、印刷のコントロールだけでなく、設定した期限を過ぎると文書を廃棄することもできます。
もう一つ挙げるとすれば、「つながるシステム」ということです。新しいOffice Systemは、XML Webサービスをフルサポートします。バックエンドのアプリケーションやビジネスプロセスのフロントエンドになり得るということです。IBMやOracle、BEA Systemsなど、ミドルウェアのソリューションを持つベンダーはほかにもありますが、エンドユーザーが使うクライアントソフトウェアのビューで語れるのはマイクロソフトだけです。
われわれは、Windows Server上にオペレーショナルインフラ、アプリケーションインフラ、そしてインフォメーションワーカーインフラとしてSQL ServerやExchange Serverなどミドルウェア群を位置付け、「Windows Server System」として統合しています。
しかし、だからといって顧客は統合されたソリューションすべてを導入しなければならないわけではありません。カフェテリア方式で選択し、WebSphereやOracleと組み合わせることができるわけですが、われわれにはOffice Systemというクライアントサイドの強力なインタフェースがあります。これは大きなアドバンテージです。
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[聞き手:浅井英二,ZDNet/JAPAN]
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