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共同的資本主義における企業:起業から国有化まで
次に、共同マネタリシステムから株式会社への出資の大枠について、座興までに検討してみました。
「定常状態」下では、既存事業では利潤を得ることができません。
設備投資を行った先行者は、先行者利益を得ることができますが、遠からず後発者の設備に破れ、設備が重荷となっていきます。
設備に使われた借金の金利が膨れ上がり、倒産に到ります。
このような経済環境を前提とし、共同的資本主義下において、いかに新規需要を掘り起こし、世界を変える技術を世に出すかを検討したいと思います。
○ 企業への金融は「無利子」出資金融が適当か?
企業への無対価金融は、資金調達コストを文字通りゼロとしてしまうので、好ましくないと考えます。
同じ金額を出資に振り替えることが良いと思いますね。
現在行われている金融ですと、設備投資の借金に金利負担が加わり、幾何級数的に金利が膨れ上がるので、油断するとすぐに倒産することになります。
出資金融ですと、株式会社からの流出資金は幾何級数的に増加せず、等差級数的ですから、「マルサス的破綻」を迎えることはありません。 従って株式会社のメリットは大きいです。
○ 出資金融は起業を促進する
良いアイディアを持つ人や集団が、容易に起業できるようになるかもしれません。 設備と知的所有権を担保に入れることで出資を受けられるわけですからね。 そして出資金は幾何級数的に累積することはありません。
○ 「定常状態」を起業の促進媒体とする
「定常状態」下では、おそらく既存商品で利益を出すことはきわめて困難であり、利益を出すのと同じ割合で損失を出すことになります。
従って、儲けたい人や組織は、起業して先行者利益を取得する他はないというきわめて厳しい世界です。
逆に言うと、競争制限には反対です。
国内における競争制限を撤廃することによって、新規商品へと企業家を否応なしに押し出す世界が好ましいと考えています。
つまり、この世界を愚者のユートピアにしてはならないという考えです。
この点が、新規法度が度々布告された江戸時代を根本的に否定した点です。
なお、この世界では後発者が直ちに先行者に追いつけます。
従って知的所有権の保護強化が重要だと考えています。
○ 起業時点では、共同マネタリシステムの出資による後押しは有用です。
その後、事業がうまくいけば上場し、資金調達できます。
そして儲かるようなら、共同マネタリシステムから株式を買い戻し、100%私有とすることができます。 こうした制度が良いのではないかと思います。
一方、会社が儲からない場合には、会社整理をして終了します。
また、会社が儲かり、100%私有となった後も、後発者が代替品を出したり、知的所有権の期限が切れて参入障壁が撤廃されると、通常は「既存商品」となり、利益の出せない産業となっていきます。
そうすると、赤字を出し、資金につまるので、再び共同マネタリシステムから出資を仰ぐことになります。
このシステムでは、斜陽産業に属する会社は、徐々に「国有化」されていきますね。
努力によって新規需要を掘り起こした会社は、「私有化」していきます。
これによって、人間の強欲(グリード)を私的利益によって掘り起こし、発展の原動力とする資本主義のエッセンスを守ることができ、もしかすると強化できるかもしれません。
国有化された産業では、悲惨な破綻はないが、低い賃金と雇用機会しか得られなくなります(と言うか、そのように設計しないといけません)。 しかし、現在ほどの悲惨な経済的苦しみを会社員を与える不合理さと理不尽さは緩和できるのではないかと思います。
以上、このシステムでは、起業から国有化までの各段階の企業が選別されていく機構を内蔵することができます。