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大日本帝国の植民地拡張サイクル
幕末期に入った国際金融資本の魔手
http://www.asyura.com/0306/idletalk2/msg/373.html
の続きです。
明治政府(維新)の経済的意味について、あっしらさんにご教示頂いております。
(「近代」日本と今後の世界:国際金融家(寄生者)には読んで欲しくないが、知ってることだからいいだろう
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/901.html
投稿者 あっしら )
この内容に異論ありません。 これに基づいて述べることにしました。 あっしらさん、勝手に失礼しますよ。 もし何かあったら言ってね。
「近代化をめざした日本は、先進近代主義大国にとって、国際金融の収益源や輸出市場として位置付けられることになりました。」
「この時点で、政治的支配者と寄生者の“同盟”が生じたはずです。
明治維新期に金と銀の交換率の“設定ミス”で国内から金がほとんど流出したのも、そのせいだと考えています。」
長州藩閥と国際金融資本とは同盟していました。
金銀交換率を「設定ミス」することはありえません。
これは一種の報奨と見るべきです(幕府を倒して権力を握ったことのお返し)。
「国際金融家から国際通貨を借りて、それで機械・原材料・システムを輸入し、それらで生産した財や伝統的財を売って得た国際通貨で借りたお金を利息付きで返済するという構造ができました。」
これは外貨建てでした。 返済はきついです。
「明治政府が発足まもなく朝鮮に触手を伸ばしたのは当然です(江華島事件)。 生産性が高い生産システムを導入したのですから、それで生産した財を国内で売り切ろうとしたら、価格が安くなるだけで利益ができません。利益が出なければ、国際金融家から借りたお金を返済できなくなります。
中国は既に英国を中心とする先進近代主義大国が権益を確保していたので、朝鮮に目を向けたわけです。」
これは「上海からの入れ知恵」だったと考えています。
こうした「植民地拡張政策」を、江戸時代に成長した人間が自前で思いつくとは考えられません。
阿片戦争に怒り狂った水戸学派の著作は読んでいたはずですからね(岩波文庫はないか)。 藤田東湖先生、吉田松陰先生がこんなことを許しただろうか? 同じことを自分らがやってどうする。
薩摩藩の方々は人が良く、戦争には強いが、国際金融資本の裏面と「同盟」方針を理解していなかったみたいです。
この結果、薩摩藩閥の主流はパージされました。
幕府は朝鮮政府と長年にわたって紳士的(淑女的?)につきあってきたのに、突然これはないでしょう。 明治政府を誰がコントロールしていたか明らかです。
(アジア唯一の近代主義大国日本は、国際金融家の高利貸しのくびきにかけられ、その返済と経済支配層の利益のために、朝鮮半島・中国・満州での権益拡大にいそしみ、国内の共同体性破壊に走ったということができます。)
(近代化の宿命である“過剰生産力”が対外権益拡大をさらに要求し、「大東亜戦争」まで突き進むことになりました。
生産性の上昇という「近代」の原理は、国家(共同体)の外での販売市場の拡大を不可欠とします。)
このプロセスは「自転車操業」でした。
国内での過剰人口、過剰生産力をさばくことができず、海外市場を求めて権益拡大に走ります。
そのための戦争は高くつきます。 借り入れが増大します。
税金が上がります。 国内購買力が縮小します。
一方、「経済支配層」はたまたま儲かると、また生産力を増強します。 植民地に過大投資を行います。 国内では人口激増のために労働者数が多く、賃金の上がる余地がありません。 失業者が増え、植民地へと移動していきます。
植民地拡大サイクルとなります。
このサイクル自体は、支配層ではなく、個々の日本国民の恐るべき勤勉努力によってうまく回りそうになりました。 凄いですね。 日本人は。
その結果、満州−中国権益で英米と衝突するに到るわけですね。
植民地サイクルが(資金的に)うまくいきそうになり、国際金融家の首かせがはずれそうになったことが、英米との衝突の根本原因です。
満州鉄道権益への米国資本の参入阻止は一つの象徴です。
植民地、特に満州への投資は目を見張るほどすさまじいものです。
当時の世界最高のインフラを整備していたと言われています。
その一方で、帝都東京の悲惨と貧困とはすさまじいものでした。
この二つの現象は同一物です。
国内から資金を「抜いた」からこそ、満州に巨大投資を継続できたのです。 その資金は貧困によって贖われたのです。
同時期に、世界でもう一つ巨大貧困都市がありました。
英国ロンドンのイーストエンドです。
これについては、例えばチャールズ・ディッケンズ、ジャック・ロンドンの作品が有名です。
「わが秘密の生涯」にはイーストエンドの売春婦(労働者階級の子女)の「一晩の値段」が載っていますが、帝都東京で永井荷風が買った値段よりも安いみたいです。
英国の資金は植民地に投資され、金持ちの懐を潤しましたが、その原資は貧民の搾取から出ていました。
日本経済支配層はその形だけ真似を使用として、虎の尾を踏んでしまいました。
植民地経営には、「寄生者の知恵」が必要だろうと思います。
寄生者の知恵とは、詐欺師の知恵でもあります。
寄生されている者達に感謝されるような者でなければ、植民地経営はできないですね。 形だけ真似をしても、中身はまったく別物になってしまいます。 日本人経済支配層はせいぜい「守銭奴」クラスですから、無理をしない方が良いみたいです。
以上、戦前史の要点をまとめました。
次に、これを踏まえて、「現在」を鳥瞰してみたいと思っています。
最後にアルファンドさんへ。 議論へのお誘いはありがたいのですが、私も自己流でしか語れませんので、その点はご理解下さい。
だから面白かったときにのみ書き込み頂ければ良いです。 前回のものはあまり面白くはなかったはずです。 しかしいろいろな人が見られますので。
その場合には、私の投稿は気にせずお好きなことを書かれた方がいいかもしれません。