現在地 HOME > 掲示板 > 雑談専用2 > 1361.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Re: 暗殺と殺害の歴史 投稿者 無花果 日時 2003 年 9 月 09 日 14:47:59)
レバノンの衛星テレビで、アルマナールという、超イスラムよりチャンネルがあります。去年のラマダンの時のラマダン明けにあわせた連続ドラマでは、ロシア議定書をめぐるスパイ合戦を放送しました。当然、アメリカとイスラエルが、この番組の放送中止を求めましたが、ほとんどのアラブ系チャンネルが放送を見合わせたのに対し、アルマナールは、結局、最後まで、放送しました。
アルマナールは、シーア派のヒズボッラーが仕切っているチャンネルで、パレスチナは当然、アメリカを中心とした欧米の対イスラム紛争について、ことごとく、イスラム側から、報道しています。女性キャスターもかなり採用されていますが、みな一様にスカーフ(ヒジャーブ)をし、化粧は一切なしです。ヒズボッラーの軍歌?を流したり、おそらくはじめて日本の方がご覧になると、驚くほど、好戦的なチャンネルと受け止められるでしょう。お金が不足しているのか、はっきり言って、取材力も、映像の状態や、番組構成が、他のチャンネルに劣りますが、キャスターは、女性も男性も、非常に的確な説明をして、クールです。英語、フランス語での放送時間も確保しており、内容のあるチャンネルです。ただ、このチャンネルをみて、他のアラブチャンネルをみると、このチャンネルが、かなり、偏っていると感じます。イスラム側からのプロパガンダを感じます。
しかし、この夏、帰国した際、国内で行われたパレスチナ人弁護士による講演会で、聞いた話と照らし合わせると、アルジャジーラは、なんも、言ってません。序の口です。民衆の生活レベル、土台から、イスラエルの侵略を訴えているのがアルマナールで、政治レベル、国際社会というレベルから、客観的に見ているのが、アルジャジーラだと思います。
そういう意味で、アルジャジーラが、アラブの若者を誘導しているとしたら、それは成功を収めていると思います。一方、アルジャジーラから入って、アルマナールに思想主義を学ぶ人間も多いと思います。なんせ、アルジャジーラも、アルマナールも同じ衛星なので、チャンネル操作ひとつです。
アルジャジーラのネット投票の中で、こんなのが、以前ありました。イラク崩壊寸前だったと思います。どのチャネルを一番よく見るか?
圧倒的多数でアルジャジーラ、そして、アルアラビーヤ、アブダビが、僅差で二位三位、そして、アルマナールが続いていました。
シーアVSスンニが、別の投稿にありますが、アルマナールが、シーア派の番組とはいえ、アラブ全体に視聴者から支持を受けていると見受けられますし、報道上は、どちらかが優位に立っているといった風潮はまったくありません。
ついでに、IQRA(報道中心、ドラマは、反イスラエル物が、ほとんど)という同じく、シーア派のイランのアラビア語放送もありますが、こっちは、取材力が、かなり落ちるので、下手すると、ナイルテレビ(エジプトのドラマも、ドキュメントもなんでもやってるチャンネル)に負けると思います。
無花果さんの指摘は、すでに、アルジャジーラによって洗脳されている中産階級のインテリアラブ人あたりには、受け入れがたいもののようです。私個人は、くさいと思いながらも、これしかない。というあたりで、アルジャジーラを見てます。アルマナールは、時として、反イスラエル一色を押し付けるように繰り返すので、疲れます。でも、現実は、その一番、疲れるチャンネルよりも、もっと、おそろしい事が、パレスチナをはじめとした、モスリム地域で起こっているようです。