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(回答先: イラン・シーア派とパキスタン・スンニー派の対立の原因は何? 投稿者 スパルタクス 日時 2003 年 9 月 08 日 21:45:10)
イスラム教は成立から急速に広範囲に布教されました。最初はアラブ人の宗教でありましたが、ゾロアスター教を国教としたササン朝ペルシャが破れてからは、ペルシャ人もイスラム教徒となって、ペルシャ風のイスラム教が出来ました。これがシーア派です。
スンニ派はどちらかといえばアラブ人のイスラム教です。もちろんこれらの地域では混血も進んでいるので、アラブであるイラクでも多数派はシーア派ですが。
今から23年前にイランとイラクが戰爭をはじめました。これはイランのほとんどを占めるシーア派の聖地がイラクにあるのですが、イラクがその聖地を封鎖してシーア派の人々の参拝を妨害したことが原因です。この戰爭はイラン(ペルシャ人)VSイラク(アラブ人)の戰爭です。
さてシーア派という宗派は教祖マホメットの直系のカリフ(教主)しか認めていません。イランはイラン・イスラム共和国と言いますが、その国教をイスラム教シーア派ということにしていますので、憲法では行方不明になったマホメットの甥のアリーが戻ってくるまでは聖職者が政治を代行するという内容です。マホメットの甥のアリーは暗殺されたと言われています。(大体の高校の世界史の教科書にはそう書いてあると思います)もしも暗殺されていなくても1300年前の話ですから生きてはいない。つまりシーア派というのはこのような少々神秘主義的な要素もあります。だから悪霊とかオカルトのような概念も有る。
ところがスンニ派の場合は、どちらかというと砂漠のイスラム教という要素が強く、あまり死霊などといったものを信じない。イランは砂漠も有るが、半分以上は緑豊かな土地なので、精霊などどいった色々な伝承がもともと存在していたが、アラビア半島の多くは見渡す限り砂漠であって、そのような厳しい自然のもとでは考え方も結構現実的になってくる。
このように同じコーランを信じていても、地域や民族で大きな差があり、丁度タイなどの小乗仏教と日本の大乗仏教がえらく違うように、あるいは同じ新約聖書を読んでいるキリスト教でもカトリックとプロテスタントでえらく違うのと同じように、イスラム教同士でも大きな違いがあるのです。