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イスラムについて続き(皆様へのレスです)
http://www.asyura.com/0306/idletalk2/msg/1311.html
投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 9 月 05 日 21:29:46:xnvpUXgHxuDw6

(回答先: Re: 横から失礼します【「イスラム原理主義」について】 投稿者 無花果 日時 2003 年 9 月 05 日 01:56:52)

あっしらさん、無花果さん、アラブ妻さん。
ご教示ありがとうございます。

阿修羅は不得意分野について、みなさまからご教示頂けるので助かります。

イスラムは知り合いもいないし、行ったこともなく、そもそもあまり興味を持ったことすらなかったので。


(イスラムに関する書きかけのものに、『イスラムは世界史上最大の「革命運動」』という仮タイトルを付けています。(宗教学者・哲学者・歴史学者がプロジェクトで取り組むべきような壮大な構想になってしまったので手にあまして中断しています))


それは凄いですね。
実に面白そう。
私が大金持ちになったら(無理か?)、研究所を作りたいくらいです。

とりあえず骨子だけを抽出して投稿されませんか?
細部まで完成させることはは難しいみたいですね。


(世界観を提示しつつ国家社会の変革運動を進めてきたマルクス的共産主義もイスラムやユダヤ教と高い類似性があると思っています。(マルクス共産主義は私の概念に照らせば宗教です。神の実在・非実在は宗教であるかどうかの基準ではありません))


なるほど。


(東アジアで興った儒教は実に割り切った宗教ですね。国家をどうきちんと治めるかに目的を絞り、端から多数派の被支配者は相手にせず、支配者のみに対し、為すべきこと為さざることを示したものですから、現実を弁えているというか無駄がない思想です。)


政治思想としては儒教は完成度が高いわけですか。
確かに現実的なのかもしれませんが、近代以降において指導理念になるという感じはありませんね。


(コーランが公理(原理)だとしても、数学的公理とは性格が違うものですから、現実への適用論証では様々な異説が出てきます。
スンニ派とシーア派の分裂は、イスラム共同体の統合形態をめぐる対立に由来したものですが、イスラム法の適用や解釈の食い違いから数多くの分派が生まれています。)
(論議を潰そうとしないという面では柔軟ですが、それを踏まえて原理をどう考えるかについては妥協がないと思っています。)


このあたりはキリスト教などの原理主義とどう違うのか、いま一つ分かりにくいのですが、私が不勉強だからかとは思います。


(ホメイニ氏は、うまく誘導されてしまったシーア派法学者だったのではないかと思っています。イラン革命は、たぶん、成功させてもらった「シーア派革命」なんでしょう。
イランに疲弊と対立をもたらし、経済制裁でイランの天然資源の温存をはかるという筋書きに嵌ったと思っています。(米国大使館占拠事件などを考えると、乗せられたわけではなくホメイニ氏が主体的に取り組んだ可能性もあります。戦前の日本と同じように誰が合作者だったのかという判定は難しいですね))


彼が主体的に取り組んだのは事実かもしれません(ニュースからの印象です)。
ホメイニの場合は、取り巻きが重要なのでは?


(コーランには統治形態論は示されていないので、カリフ(イマーム)−スルタン制が原理主義的な統治とも言えず、イスラム法も公理(原理)から導き出された定義ですから、それをもって原理主義かどうかの基準にはできません。
(コーランに拠るなら、深酒や悪酔いは諌めていますが、飲酒そのものを禁止しているわけではありません。女性の服装もアニュアル化されてはいません))


女性の服装とか男性の格好は、テレビで見るとみな同じみたいに見えるんですが、実際は違うわけですか?
大統領制(イランとか昔のイラク)、議会制民主主義、立憲君主制もオーケーなんでしょうか?


(政治的建物のなかにホメイニ氏の肖像写真を掲げているのは、反イスラム(非原理主義)ですね。)


これは偶像崇拝ということですか。
ホメイニは強烈に自己宣伝したんでしょう。
私としては、もっとも怪しさを感じているところです。
信仰者にしては怪しい。
サダム・フセインなら分かるんです(とりあえず自己宣伝は自己矛盾にはなっていない)。 もともと世俗的政権なわけですから。


(サウド王室は、後ろ盾として、宗教勢力と米英支配層のどちらを選択するか迫られている状況に置かれています。
(宗教指導者多数派が王室につけばなんとかしのげるでしょうが、宗教指導者多数派が反王室に回れば、取り締まりで起きる銃撃戦ではすまない内戦に進んでいく可能性があります。)


実際には強烈な内紛があるわけですね。
宗教はこれまで自発的に利用されてきたというか、王家と共犯だったのではないでしょうか?
しかしサウジでは宗教は完全に牙を抜かれていたわけではないのですね。


(近代市場社会というより、「近代」勢力に蹂躙され富を奪われてきた結果ですね。
19世紀末から大戦期までは植民地支配を受け、戦後は、原油販売支配で縛られ、イスラエルという癌を植えつけられたことで数次の戦争を経験し、膨大な兵器購入も強いられています。)
(原油を安く売って産業製品を高く買っているのが中東産油国の実態です)


これは特に第二次大戦以降の天然資源産出国の宿命ですね。

しかしイスラム諸国はなぜ近代工業を発達させることができなかったんでしょう。
なんでオイルマネーは中東を素通りし、米国等に還流したのでしょうか?
なぜ中東地域に工業を起こすことができなかったのでしょうか?
そのあたりの理由が良くわからないのです。
中東地域は11、12世紀に世界最大の産業力を持っていたわけですから、なぜそれが現在できないのか、よく理解できないんですよね。
イスラム自身に何か問題はないのでしょうか?

もし近代工業産品を産出できないのであれば、輸出入管理によって輸出入均衡貿易を実施し、富裕者の近代工業産品輸入を押さえ、貿易、財政赤字を止めることが必要だと思うんですが。
王族の奢侈を誰も止められないのはなぜなんでしょう?


(どのような生活様式を採るかは各地域の選択ですから、まずは米英支配層の経済支配と政治的くびきから脱することが課題でしょうね。それは同時に米英支配層の後ろ盾で地位を維持してきた支配層の没落につながるはずです。
そこから、原油を当座の糧にしつつ、「近代」によって押し付けられた国境線をどうするのか、どのような生存維持形態を基礎にするのかを決めていけばいいでしょう。)


どうすべきかをクルアーンから敷衍できないんでしょうか?
それが最も知りたいところです。


ホメイニ師について

「実際イランを動かしてきたのは、ホメイニ師を亡命先のフランスから
イランに連れ戻した連中である。彼らはホメイニ師の与党イスラム共和党本
部を爆破し、数十人の同師側近、党幹部を殺害した(イスラム共和党IRP
爆破事件のこと)」

「共産主義者は強大な影響力をもっていた。ホメイニ師が連中の束縛から
脱しようとしたとき、彼らはその力を誇示するように、恐るべき警告をホメ
イニ師に与えた。イスラム共和党本部が爆破され、ホメイニ体制を支える最
も重要な人々が惨殺されたのである」


これは凄いですね。


「現代イランに関してなのですが、テヘラン在住の友人の話ですと
報道などで見聞きするより、豊かなようです。
工業化も進んでいるのですね。
どの家にもパソコンや新車(イラン国産車)やエアコンがあり、
予測困難というかなり公平っぽい選挙制度もありますし(15,6歳ぐらい
から選挙権あります)、アラブに比べればずいぶんと民主化されている印象
です。経済状況は決していいとはいえない状況下、近隣の難民もかなり受け入れていますね。」


そうですか。
やはり王族ないし僣主支配の国家が一番ひどいんでしょうか?

イラクも湾岸戦争前は生活環境は良かったそうですね。


私は土日は不在ですので、次のレスは遅れます。
ご了承くださいませ。

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