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(回答先: Re: Re:アラブはどうですか? 投稿者 無花果 日時 2003 年 8 月 26 日 21:19:31)
無花果さん、こんにちは、
できるだけ、私の知っているアラブの話を紹介したいのですが、現在も、その国と関わって生活している以上、その国名は、明らかにできないことをご理解ください。
はまちは、アラブと関わって、10年以上です。
当初は、アラブ事情をぜんぜん理解していませんでした。明らかに、わかったのは、弱いものに対する手の出し方が自然であったことです。
アラブレストラン(縁側の窓のように、入り口が、レストランの一辺全体を使って、歩道にもテーブルがはみ出ていて、入り口の扉が、ない。)には、レストランのわきの歩道に、貧しい方が座り込んでおられるのですが、私たちの食事があまったりすると、「おっさん、食わないか?」という具合に、食事をその方に差し出します。レストランのボーイさんも、それをどうのいうことは、絶対にありませんでした。が、今は、ボーイさんが、レストラン脇に座り込むことすら、許していません。
また、当時、都会の駅、バスターミナル付近で、物乞いをする子供は見たことがありませんでした。自然災害が重なった95年ぐらいから、農村部から都会へ出てくる人が増加、それに伴って、物乞いの子供が、出始めました。
マクドナルドが進出し始めたのも、このころからでした。西洋的なハイパースーパーマーケット(日本で言うところの百貨店?食料品から、雑貨、家電、家具まで取り扱う)が、郊外に開店、売れ行きを伸ばして、支店を増やし、現在では、その国の各主要都市には存在するようになりました。そのスーパーに行くと日本人に会う?というくらいお金に余裕のある人向けのお店です。ちなみに、その国の邦人数は300人ありません。
貧富の差が目で見てわかるほど、広がっていく一方、中間層と思われる人々のモラルがどんどん低下していきました。99年には、都市部を結ぶ特急列車、所要時間1時間の電車の中で、席を探すポリオ被害者(幼少時にポリオを患い歩行障害をもつ)の若者を見て驚いたことがありました。列車のワゴンをどれだけ歩いてきたか知りませんが、少なくとも、わたしのワゴンより手前から来て、私の乗っていたワゴンで、だれひとり、この障害をもった若者に席を譲らなかったのです。この国に将来はない。っと確信したものです。
都市部はずいぶんと西洋的になるし、また、都市と都市を結ぶ高速道路も完備され、観光地は、山間部の奥地でも、電気、水道がとおり道路は舗装されて、一見、この国の産業発展を見る気がしますが、人々のこころは、どんどん、荒んでいく傾向にあり、子を持つ30-40歳代の親は、せめて子供に苦労をさせまいと、高額を工面して、私立校に通わせ、近所で自由に遊ばせることなく、家庭教師をつけ、優秀といわれる高等学校への入学を目指します。そして、高学歴であれば、職があり、お給料が支払われると夢を描いている素朴な農村部出身の親を見てると気の毒で、仕方ありません。
無花果さんが描いておられるような人間性の残った社会は、私の関わるアラブでは、もはや、山間部の集落でしかないと思われます。医者どころか看護婦ですらいない、週に1度しかバスが通っていない、犠牲祭に肉を食べる、子供が誕生したら羊を食べる。こんな農村がまだまだ、あるのですが、こういった政府に見放された?村のほうが、生活は、苦しくても、人間的に、ずーっと豊かな生活をしていると思うときがあります。
国家って、いったいだれのために存在しているのでしょう?