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http://www.asahi.com/science/update/0831/001.html
環境ホルモン=分泌撹乱(かくらん)=作用が疑われている有機スズ化合物の一部が、食物連鎖により魚介類の体内で数十倍に濃縮されていることが水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(広島県大野町)の池田久美子研究員らの調査で分かった。船底塗料などに使われていた同物質に、ダイオキシンなどの残留性有機汚染物質(POPs)に似た生態系での濃縮作用があることを意味しており、汚染の広がりなどが心配される。
池田研究員らは98年から、日本海中央部の深さ約400メートルの海底や山陰沖などで底引き網で生物を採取し、代表的な有機スズ化合物のトリフェニルスズ(TPT)などの濃度を測定。魚介類の胃の内容物を調べた。
その結果、有機スズ化合物のほとんどが海底の泥にたまることが判明。日本海中央部で、乾燥した泥1グラム中に、TPTが3.9〜6.7ナノグラム(ナノは10億分の1)含まれていた。
これが魚介類になると、乾燥させた組織から1グラム中、TPTが5.0〜460ナノグラム検出されて、泥より濃縮されていた。
海底の有機物を食べるエビで9.3〜19倍に、そのエビを捕食するカレイやカニ類などで1.1〜3.7倍に濃度が上がるなど、2〜3段階の食物連鎖で数十倍の濃縮が起こっていた。
池田研究員は「日本海の中央部でも沿岸部と同レベルの汚染が進んでいた。特にTPTは生体内で濃縮されやすく、今後長期間の監視が必要だ」と指摘している。
有機スズ化合物はフジツボなどの付着を防ぐ船底塗料に使われてきた。日本の造船業界は90年代初めまでに使用を中止したが、多くの国でまだ使用されている。近年の研究で、やはり代表的な有機スズ化合物のトリブチルスズ(TBT)には巻き貝やヒラメのメスをオス化する環境ホルモン作用があることが判明している。 (08/31 09:40)