現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康5 > 502.html ★阿修羅♪ |
|
http://www.inte.co.jp/tenshoku/MSNNews/contents/12144.html
体を機械に置き換える技術はサイバネティックスとよばれ、義足や義手のような身障者用のデバイス研究に役立っている。なかでも、脳からの電流で機械を制御するBCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)は、コンピュータの新しい制御技術として注目を集めている。さまざまな実用実験も進み、近い将来、BCIの生み出す製品や技術が身障者の大きな手助けとなるのは間違いないだろう。
頭に付けた電極で機械を動かす
人間の体には無数の神経が走り、神経の内部には微弱な電流が流れている。掴む、投げる、歩く、座る、そうした人間のすべての動作は人体の膨大な神経網を通る電気信号によって制御されている。その指令を出しているのが脳だ。
脳の内部に流れている電流はテレビやラジオの内部で流れる電流と同じものだ。ごくわずかだが、脳の外側、頭の表面にも漏れている。これを測定したものが脳波である。テレビの外に漏れている電流を測定しても、放映中の番組が何かはわからない。だが、電源が入っているかどうかはわかる。脳波を測定すると中で何が起きているかはわからないが、どの部分の神経網が動いているかはわかる。動作と動いている神経網を照らし合わせれば、そのつながりがわかる。
どの神経網が動いているかさえわかれば、そこから出ている信号を使って機械を動かすことができるだろう。脳からの信号で動く義手を考えてみよう。腕を動かそうとした時、脳から特定の信号が出る。それを頭に取り付けた電極で拾ってコンピュータに取り込む。コンピュータには脳の信号と義手の動かし方を一覧にしたデータベースがあり、入ってきた信号とデータベースをつき合わせて義手を制御する。
頭に付けた電極で動かせる義手はまだないが、腕の切断面に電極を取り付け、その部分からの信号で義手を動かす製品はすでにある。筋電位義手は学習型のコンピュータとロボットアームからなり、物を掴んだり、回したりすることができる。このような体を機械に置き換える技術はサイバネティックスとよばれ、義手のような身障者用のデバイス研究が行われている。
動けない体でも脳は動く
頚椎損傷などで全身が麻痺してしまうことがある。私の知り合いも17歳の時にバイクで事故を起こし、以来31歳の今まで首から下が動かないままだ。それでも彼はCGを描き、ホームページを立ち上げ、友達と海外旅行にも行く。たとえ体が動かなくても、脳は動いている。脳と体をサポートする機械をつなぐことができれば、彼はもっと自由に動くことができるだろう。もし体を支えて移動する機械があれば、トイレに行きたいと誰かを呼ぶ必要はなくなる。
脳からの電流で機械を制御する。これはサイバネティックスの中でもBCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)と呼ばれ、コンピュータの新しい制御技術として注目を集めている。スイスとスペインの科学者が研究している電動車椅子は頭に被った帽子で動かすことができる。帽子の内側に組み込まれた電極が脳波を測定、脳波で車椅子を操作する。まだ前進後進、右折左折といった単純な動きしかできないが、これと自律型のAIを組み合わせれば、全身麻痺の身障者も車椅子を動かせるようになるだろう。
また、マウスやキーボードを脳波で動かす(フィンランド・ヘルシンキ工科大学)ことや家の中の照明やエアコンのスイッチを入れる(アメリカ・ロチェスター大学)研究も進んでいる。さらに脳に直接刺した電極を使って、猿の脳にテレビゲームをさせるという、ちょっとSFじみた実験も成功しているという。
BCIはまだ研究段階で、脳と体の動きの関係もまだ十分には解明されていない。だが将来、BCIの生み出す製品や技術が身障者の手助けとなるのは間違いない。さらに、そこから生まれた技術を応用することで、考えた内容を記述するワープロや脳波で操作するテレビゲームなども登場するだろう。最先端の科学技術は、体の自由の利かない人たちをフェアなスタートラインに立たせることができるかも知れない。
バックナンバー >>http://www.inte.co.jp/tenshoku/other/news_bn/index.html