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休日や夜間、緊急時などでも、パソコンや携帯電話などから診療所や病院の情報を検索、利用できる医療機関案内サービスが、大都市部を持つ一部の自治体で活発に展開され始めている。医師の専門分野や病名からの医療機関案内、女性医師の有無など、提供される情報にも利用者の要望が反映され、医療機関の情報開示にもつながりつつある。東京、広島、福岡の3都県のこころみを聞いてみた。(鈴木 隆)
■■東京都の「ひまわり」、アクセス急増
東京都は4月、医療機関案内サービス「ひまわり」をリニューアルした。これまで提供していたのは病院、診療所の住所、電話番号、診療科目といった基本情報だったが、新たに、医療機関ごとに対応可能な医療機能を表示。例えば小児科では、ぜん息、アレルギー疾患、発育障害など。対応可能な在宅医療では、往診、訪問診察、訪問リハビリ指導などの情報を表示して、より具体的な症例、医療機会に対応している。
従来から、医療機関の選択で要望が強かった、女性医師がいるかを産科や婦人科、泌尿器科など5科で実施しているほか、カルテ開示や検査内容の開示など患者への診療情報提供に応じているか、苦情相談窓口を設置しているか、差額ベッド代、外国語対応など、各種医療情報への対応を増加した。
パソコンを使って、病名や医療機能などの項目から医療機関を検索できるほか、利用者の住所や最寄り駅の医療機関検索で、医療機関の地図表示ができるようにしたのも新たなサービスだ。また、医療機関がインターネットで、随時自らの情報を更新できるため、臨時の休診日情報や担当医師の移動情報などリアルタイム情報の取得が可能になった。都でも、1年に1回は各医療機関に調査表を送付し、変更点があり次第すぐに対応していく方針だ。
「ひまわり」のパソコン対応は2000年4月、携帯対応は同年12月から開始した。都内の約2万件の病院や診療所の約8割が同サービスの対象になっている。ひまわりへのアクセス数も、01年度の11万4382件から02年度には49万6871件に急増。03年度も4月から6月の3カ月間だけでもすでに約24万件のアクセスになっている。
■■広島県は、周産期医療情報も
東京都と並んで、ネット利用の医療機関案内サービスで各都道府県などからの問い合わせが多いのが広島県だ。01年10月に県救急医療情報ネットワークシステムを更新した。今現在診療可能な医療機関情報を新設したほか、小児科など「こども」メニュー、バリアフリー対応の病院や車椅子用トイレのある医療機関などが表示される「障害のある人」メニューも追加された。
母体や胎児、新生児に関係する周産期(妊娠後期から新生児早期まで)医療情報センターへのネット対応も同県の特徴の一つだ。新生児集中治療室や緊急母体の搬送受け入れと院外出産立ち会いの可否などのほか、周産期医療の充実を支援。サイトで妊婦や新生児の親からのメールを質問箱として受け付け、本人を特定できないように公表して、関係する多くの人に参考にしてもらうサービスも行っている。
広島県救急医療情報ネットワークシステム
さらに、救急患者を受け入れる医療機関側に関する現況情報として、集中治療室、高次救急疾患の項目を追加。救急車の搬送受け入れの応需情報をネット上で確認できるようにした。また、健康診断や禁煙、人間ドックなど専門外来に類する受入先医療機関の検索も可能になっている。
同県は、インターネット対応を97年10月から、携帯対応を01年10月から始めた。02年度のアクセス件数は138万6359件。このうち、県民からは48万9115件、医療機関側からは89万7244件で、対象になっている約4000の病院・診療所などからの応需情報のアクセスが高いのも特徴といえる。医療機関サイドが、自らの状況をひん繁に伝えていることを数字が示しているといえる。
■■福岡県は来春から「医療機関の情報量」めざす
一方、福岡県は来春のサービス開始を目指し準備を急いでいる。県内の約7000の医療機関に情報提供の協力を呼びかけている。医療機関の各種データを集め、休日・夜間・緊急時の診療受け入れや医療設備、医療態勢の整備状況などを収集して、パソコンや携帯で閲覧できるようにする。同県保健福祉部の担当者は「何といっても医療機関の情報量を増やすことが利用につながる」として、医師の専門分野や実績などを含むさまざまな情報集めに苦労している。
■■新症例、検索方法など課題も
インターネットを利用した医療機関情報の公開を行っている自治体はまだ多くない。東京都や広島県のほか、大阪府や横浜市など都市部が中心だ。地方は全体的に医療機関自体が少なく、「何か大きな病気や検査は大学病院で」といった図式があり、選択肢が少ないことが反映している。しかし、全国の各都道府県などが、そんなに遠くない時期に「ネットによる医療機関情報の公開を行うことになる」との見方ではほぼ一致しているという。
その上で、東京都と広島県の担当者に、運営面での課題を挙げてもらった。東京都健康局医療政策部の担当者は「医療機関の情報も時代とともにニーズが変わっていく。例えば、睡眠時無呼吸症候群などの症例が注目され、多くの患者がいることが分かった。こうした症例にもタイムリーに対応していく必要がある」と話し、必要な情報に随時対応していくことを強調した。
広島県保健医療総室の担当者は「検索が多くできても使い方が分かりにくいことがある。パソコンに慣れている人でも、どういう検索ができるか周知されているとは言えない。医療関係者間の連携も強化しないと有効利用に結びつかない」と述べ、使い方によっては内容が生かされない危険性を指摘した。
厚生労働省は、こうした自治体の取り組みは歓迎しているが、「地域に合ったやり方で進めてほしい」と話すだけだ。実際、各自治体の取り組み状況は「把握していない」としており、各自治体の考えで行われることに口を挟む考えはないようだ。
【関連サイト】
[ひまわり パソコン用]
http://www.himawari.metro.tokyo.jp/
[ひまわり 携帯電話用]
http://www.himawari.metro.tokyo.jp/kt/
[東京都]
http://www.metro.tokyo.jp/
[広島県救急医療情報ネットワークシステム]
http://www.qq.pref.hiroshima.jp/
[広島県]
http://www.pref.hiroshima.jp/
[福岡県]
http://www.pref.fukuoka.jp/
[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/