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http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030810k0000m040093001c.html
人間が発する声を数秒間記録するだけで、その人の疲労やストレスの蓄積度を分析できるシステムを、独立行政法人電子航法研究所(東京都調布市)の塩見格一・上席研究員(応用人間工学)らの研究グループが開発した。本人の自覚より10〜20分早く、疲労を検出できるという。今年2月にはJR山陽新幹線で運転士の居眠り事故があった。疲労が眠気を誘い、事故につながる危険性が高いことから、国土交通省は同システムに着目。来年度の概算要求に盛り込み、飛行機や鉄道などの安全性向上に役立てるため、4年計画で実用化を目指す。
研究グループは、声の調子で、電話の話し相手の疲れを察することができることに注目した。疲労で声の強弱や周波数などに乱れが生じることを利用し、音声信号の乱れの程度を「カオス理論」という特殊な方法で数値化した。
実験では、約100人に30分間、新聞や小説を読ませ、声の乱れの数値変化を調べた。
その結果、テスト時間が長くなるにつれ、乱れの数値が高くなった。被験者に疲れを感じた時間を自己申告してもらったところ、本人が自覚する10〜20分前には、数値が目立って上昇していた。実験中に「休ませてほしい」と申し出た人に休憩してもらうと、いったん上昇した数値が通常のレベルに下がった。
研究グループは、数値が通常より30%以上高くなると、疲労していると判定した。数秒間の声の分析で、被験者の疲労度を1分以内に割り出せるという。飛行機のパイロットや管制官、鉄道の運転士はさまざまな交信をしており、交信を常時分析すれば、事故を未然に防ぐことが可能になる。
塩見さんは「パイロットや運転士との交信から、疲労や眠気の兆候を察知し、警告を与えることができる。声をマイクロホンで拾い上げるだけなので、被験者への負担は少ない」と話している。【田中泰義】
国土交通省技術安全課の話 交通機関の事故の8割が人的要因と言われており、このシステムに強い関心を持っている。鉄道会社などの協力を得て実効性を検証し、実用化したい。
[毎日新聞8月10日] ( 2003-08-10-03:00 )