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http://www.asahi.com/science/update/0804/001.html
感染症の発生をつかみ、治療や予防などの対策を立てるのに重要な病原体の報告が激減していることが、国立感染症研究所(感染研)の調べで分かった。赤痢など病原性が高いものでも感染研に届けられる菌は患者数の3分の1以下。このままでは薬が効かない菌が現れてもすぐに把握できず、感染研は「感染症対策が足元から崩れかねない深刻な事態」と警告している。
感染研によると、細菌性赤痢の場合、99年に患者799人に対し380株の赤痢菌が集まった。昨年は患者が641人だったのに届けられた菌は181株にとどまった。
コレラは、検疫所で見つかった菌も報告されたため93年には患者92人で菌は101株というように、かつては患者数を超える数の菌が集まっていた。しかし昨年は患者が26人いたのに届いたコレラ菌は5株に過ぎない。
腸チフスも99年には患者数72人で菌は42株届けられていたが、昨年は患者62人に対し、菌は16株だった。
感染症法は、感染力や致死率などから感染症を危険性の高い順に1〜4類に分類。この三つの病気はいずれも2類感染症で、患者の報告は義務づけられている。医師から保健所、都道府県を通じて感染研に連絡される。
一方、菌は地方衛生研究所を通じて感染研に届く仕組みだが、義務づけられていない。
最近は、菌の検査を民間の検査会社に依頼する医療機関が増加。検査結果は医師に伝えられても菌そのものは検査会社側が廃棄する場合が増えたという。保健所も患者の報告は受けても検査会社から菌を回収する義務まではない。
こうした状況に感染研が最も心配するのは薬の効かない薬剤耐性菌の監視に支障が出ることだ。
例えば腸チフス菌では、国内で検出された菌のうちほぼ半数が、特効薬とされる抗生物質が効きにくくなっているとの報告がある。感染研の渡辺治雄・細菌第一部長は「届けられる菌がこんなに少ないと、実際は耐性菌が蔓延(まんえん)しているのに気づかないという危険が大きくなる」と言う。
厚生労働省結核感染症課は「新型肺炎SARS対策で感染症法の見直しを検討しており、その中でこの問題の対応を考えたい」と話している。
(08/04 03:02)