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献血血液から作られる輸血用血液製剤「新鮮凍結血漿(けっしょう)」を全国の医療機関に供給する日本赤十字社が、製剤の添付文書に、国が「不適切」とした使用法を4年間も記載し続けていたことがわかった。新鮮凍結血漿の約8割が国の指針に反する目的で使われていることが判明しており、日赤の対応のまずさが、目的外使用横行の一因となった可能性がある。
問題の記載は、医師に製剤の使用方法などを説明する添付文書の「効能又は効果」欄にあった「循環血漿量減少の改善と維持」。手術などで出血した際、この血液製剤を投与すると、体内血液量の減少を補うことができるという意味だ。
新鮮凍結血漿は、ウイルスの活動を抑える化学処理を施されておらず、過剰な使用は、ウイルス性肝炎など輸血後感染症の危険を高めることになる。血液製剤がエイズ感染を引き起こした「薬害エイズ問題」の反省を踏まえ、旧厚生省は、99年に「血液製剤の使用指針」をまとめ、新鮮凍結血漿の使用を血液を固める血液凝固因子の補充という目的に限定。減少した血液を補う目的の使用は、ほかの薬品でも代用できるため、「不適切」とした。
ところが、日赤はこの記載をその後4年間改めず、先月、安全な輸血を目指す新しい血液法が施行される直前に、ようやく、問題部分を削除した。適正化への努力を続けている病院もあるが、血液量を補うために新鮮凍結血漿を使い続けている医師はまだ多い。
日赤血液事業部は、読売新聞に対し「99年に旧厚生省から変更の必要はないとの見解を得た」と弁明している。一方、厚労省血液対策課は「指針と食い違いがある以上、『変更する必要がない』とは言うはずはない」と話しており、双方の主張は対立している。
(2003/8/3/09:19 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030803it02.htm