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先週、東京都小型コンピュータソフトウェア産業健康保険組合の幹部による、社会保険庁職員への過剰な接待が新聞紙上を賑わせた。
この長ったらしい健保組合の名前、実は聞き覚えがある。数年前のことだが、東京・赤坂の大通りに面した一等地に閉鎖された空きビルがあった。そのビルを買ったのが健保組合だと聞いて、「財政難に苦しむ組合が多い中、お金のあるところにはあるものだ」と思ったことがあった。昨年夏に9階建ての瀟洒な健保会館に生まれ変わったそのビルの購入者が、実は東京都小型コンピュータソフトウェア産業健保組合なのである。
これはこぼれ話でしかないが、各種報道記事の中にある言葉が見当たらないのは気になった。「総合組合」とか「総合健保」という言葉である。健康保険組合は、ある企業グループの会社で構成される「単一組合」と、同業同種の会社で構成される「総合組合」に大別される。現存する1636組合のうち、1342組合は「単一」で、294組合は「総合」だ。
これらのうち、特に総合組合については問題点がいくつか指摘されてきた。行政との人的つながりが単一組合よりも強いことがその一つ。今回接待した中心人物は東京都OBの役員だったが、社会保険事務局・事務所などからの天下りや出向が少なくないことは、関係者の多くが口にする。総合組合は多くの企業の寄り合い所帯のため、意思統一が難しい。これも行政マンOBが望まれる一因なのだろう。
熱心に活動する総合組合を取材したこともあるし、先見性のある行政マンOBの健保組合幹部に会ったこともある。一概に「総合だからだめ」「行政出身だから悪い」と決めつけるつもりはない。だが、今や深刻な財政難からの立て直しを図ろうと、大企業の組合を中心に、優秀な人材を投入する健保組合が増えてきている現実がある。民間の知恵を医療費削減や健康増進に生かすためにも、人材の供給源を行政機関に求めるのは、もう卒業したいものだ。
(井上俊明、日経ヘルスケア21編集委員)