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2003.9.6
小泉政権の継続は「百害あって一利なし」と私が主張する理由【6】――日本を否定する小泉構造改革
「人類を悩ますあらゆる災禍は、人間が必要なことを為すところから生ずるのではない。かえって不必要なことをなすところから生ずる」(トルストイ)
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今日、日本が直面している災禍は、小泉政権が「不必要なこと」を行っている結果である。小泉政権が推進している構造改革は大きな過ちであるとともに不必要なことである。この結果、日本国民の上に大きな災禍がもたらされている。
第一が、不良債権処理の加速化を名目とする日本の銀行潰しである。この結果、日本経済は大混乱に陥っている。過去に銀行の勧めに従って銀行から借金した企業、個人にとって死刑の宣告を受けるに等しいことである。金融庁の指導のもとに、銀行は、かつて事実上強制的に企業と個人に貸した金を、今度は一転して強制的に、しかも容赦なく取り立てている。銀行の要求どおりに返済できないものは破産させられる。
このような非情な行為によって銀行は日本国民の敵になった。しかし、より大局的に見れば、銀行は米国のブッシュ政権に追従する小泉政権の哀れな犠牲者なのである。日本政府の政策によって日本の銀行は国民の敵にされてしまったのである。金融庁はマスコミを味方にして、「銀行は悪い。銀行はエゴイズムだ。銀行は信用できない。こんな銀行は潰してしまえ」との国民世論形成に成功した。
こうなれば、政府・金融庁は何でもできる。いろんな難癖をつけて国有化し、米国ファンドに安く売り飛ばすことがいつでもできる。小泉首相が再選されれば、おそらく竹中金融相は近い将来、日本の銀行の米国資本への譲渡を進めるだろう。これは日本の国益に反する。
小泉・竹中金融政策は根本的に誤っている。過ちは、日本の国益を米国に渡してしまうことにあるだけではない。日本の銀行は、日本という風土に根をおいた日本的社会組織なのである。小泉・竹中構造改革路線は、この日本社会に張った根を断ち切り、アメリカ、イギリスの金融会社のような獰猛な企業にしてしまおうとしてきたのである。この結果、日本社会に深刻な災禍がもたらされた。中小零細企業は倒産し、失業者は急増した。
競争万能主義神話にとりつかれた米国的経済合理主義の信奉者たちは、日本社会を米国社会化しようとしている。米国のやり方を日本にそのまま導入してもうまくいくと考えている。これらの米国賛美者には日本と米国の風土の違いが理解できないのである。
政治権力が自国民が長い歴史の中で形成してきた風土、文化、習慣を無視して政治を行うことは罪悪である。政治権力は風土、文化、習慣に対して謙虚でなければならない。歴史上の多くの革命が失敗した最大の原因は、風土、文化、習慣に対する謙虚さの欠如にあった。今、小泉構造改革は同じ過ちを繰り返そうとしている。
日本を米国化しようと考えている若い政治家、官僚、経済人、マスコミ人は少なくない。彼らは競争経済を日本に持ち込み、米国的な非情な手段によって日本社会を「勝ち組」と「負け組」に二分化しようとしている。彼らは日本的「情」社会を蔑み嫌悪する。彼らは日本そのものを蔑んでいる。その彼らが小泉構造改革を推進している。
「日本」を否定する小泉構造改革を止めなければ、「日本」は容赦なく破壊され、米国化されてしまうおそれが強い。
この9月20日の自民党総裁選は、日本の米国化にストップをかける大きなチャンスである。だが、もしここでそれができず、小泉純一郎氏に今後の政治を任せるということになれば、次の総選挙が「ストップ・ザ・小泉」の第二のチャンスとなる。この時の「正義の使者」は民主党である。9月20日に自民党内の小泉批判勢力が「小泉」を止めることができない場合、菅・小沢の新・民主党が自民党政権を終わらせる役割を担うことになる。今われわれがなすべきことは売国的な政権を終わらせることである。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0597.HTML