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株式日記と経済展望
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長期金利の上昇は金融業界の都合によるもの。
金利で騒ぐのは新聞記者の失業対策事業である。
2003年9月5日 金曜日
◆<長期金利>1.475%に低下 株価の反落を受け
4日の東京債券市場は、株価の反落を受けて長期金利は低下(債券価格は上昇)した。代表的指標である新発10年物国債の利回りは、前日終値に比べて0.125ポイント低い年1.475%で取引を終えた。長期金利の低下は2日連続。日銀が同日、1兆円のオペレーションを実施したことも金利低下を促した。(毎日新聞)
[9月4日20時45分更新]
◆負け組が作った強気相場。
日本や米国だけでなくドイツなども新高値を付け世界的な株高となっていますが、ファンダメンタルズの改善という分かり易い材料以上に買われ始めた印象があります。その一因がこれまで勝ち組であった(金利低下のトレンドを信じて)債券を買い上がっていたファンドが「負け組」になり、運用不振から債券売り株式買いに転換したことが大きいと見ています。
債券投資はもともと運用金額が大きく、それを株式運用で補うことはたいへんな作業です。金額的に株式市場は債券市場に比べると遥かに小さな市場ですから、無理に株高で債券安を補完しようとすると株式が急騰することもあるでしょう。債券中心の運用をしていたところが今や負け組となり対立相手に加担して押し上げる全く逆の作用を及ぼしたようです。
その一方で、負け組の象徴でもある金融機関が債券の含み益を実現したい時期に、下げ始めた債券市場を見て益出しの売りを拡大し下げに拍車をかけた可能性があります。それが景気回復=金利高のムードを一段と高める結果になったのではないでしょうか。そうした機関投資家が否応無く高値を買い続けているようです。
とはいえ、金利も高くなり過ぎると、例えば生保の場合、株式運用を全くやらなくても新規契約に対して予定利率を充分カバーできることになりますので、行き過ぎた金利高は株式に魅力がなくなってしまいます。生保などはこれ以上金利が上がれば債券運用だけで確実に利益が出せますので株式運用の必要性を感じなくなるのではないでしょうか。
日経平均は金利上昇を警戒する金融当局の債券への介入姿勢を気にしながら過熱感を収めている場面ですが、債券市場がコントロールできるようなら再び買われる場面があるでしょう。日銀の国債管理政策が注目点となりそうです。国債市場が日銀の「管理下」に置かれた事は債券のパニック売りが防止されることを意味し、反対に、週初のような株式のパニック買いも起き難くなったと見ています。
HiT株式教室 日経平均の見通し 2003年9月4日
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/family-mn/hit1.htm
◆「長期金利の上昇」について。
原因は、「景気が回復したから」ではない。各種の指標を見ればわかるとおり、景気はまったく回復していない。簡単に言えば、GDPは上昇していないし、「上昇するはずだ」という確実な予想も立たない。
ただし、「景気は回復しそうだ」あるいは「最悪の時期は脱した」という、楽観的な見込みはある。そのせいで、株式市場に、金が流れ込んでいる。その金は、どこから来たか? そう考えれば、正解はわかる。金融市場の金が、株式市場に流れ込んでいるわけだ。それで、金融市場の金が少なくなって、市場金利が上がっているわけだ。そして、そういう傾向が明らかになると、「低金利で利幅もなく、将来は暴落する危険のある長期国債よりは、株式市場で金を運用した方が、安全だ」と考える人々が多くなる。
簡単に言えば、こうだ。今までは、景気悪化の見通しが強かったので、資金を株式で運用することが、危険だった。そのせいで、銀行などはしきりに株式を売り込んだ。「株が下がるから株を売る」という冷静な投資判断によるのではなくて、「危険なものは持てない」という弱気な安全主義で株式を売り込んだ。そのせいで、株式は過剰に下落した。
ところが、いつまでも株式を売り込むことはありえない。手持ちの株は、限られているからだ。そこで、株式の売りの圧力が減ったところで、株式は底を打った。すると、人々は、「自分が売らなくなったから、株は下がらなくなった」とは思わずに、「景気が回復するから、株は下がらなくなった」と思い込んだ。かくて、「株式市場は、先行きが楽観できる」と思い込んで、株を買い込んだ。
結局、以前は、「みなが売るから、株はどんどん下がる」となっていたが、今度は、「みなが買うから、株はどんどん上がる」となっているわけだ。ケインズの主張のとおりである。ところが、人々は、フリードマンの主張を信じて、「自分たちの売買は関係ない。景気が良くなるから、株は上がるのだ」と思い込んだ。「市場経済」というのは、「売り手が増えれば価格は下がり、買い手が増えれば価格は上がる」ということだ。なのに、このことを理解できないのが、古典派だ。「市場経済で景気はうまく行く」と主張する古典派が、なぜか、市場経済というものをまったく理解できていないわけだ。
要するに、「長期金利上昇」というのは、「株価上昇」といっしょに考えればよい。「長期金利が上昇して、株価が上昇する」にせよ、「長期金利が下落して、株価が下落する」にしても、しょせんは、金融資産の運用の問題であって、金融業界の話にすぎない。
(中略) 長期金利が上昇しても、それは、金融業界だけの事情にすぎない。金融業界において、金融市場から株式市場へと、資金が移転しただけだ。逆に言えば、株式市場から金融市場へと、資金が移転していたのが、元に戻っただけだ。
そのことで、「長期金利が上がる」と騒ぐ人もいるが、「株価が上がる」という現象も起こってるのだから、騒ぐほどのことはない。景気は、現状では良くも悪くもなっていないし、将来的にも、良くも悪くもならない。底を這っているだけだ。
「長期金利が上がると投資が減る」と騒ぐ人もいるが、不況のさなかでは、投資を拡大させるものは、金利水準ではなくて、需要である。需要がないときには、もともと投資意欲がないから、金利が上がろうが下がろうが、投資に対する影響はほとんどない。「金利が下がったから投資を増やす」ということも起こらないし、「金利が上がったから投資を減らす」ということも起こらない。(ほんの少しは起こるが、一考全体に影響を及ぼすほどではない。)
要するに、金融市場がどうなろうが、そんなことは、どうでもいいことなのだ。「長期金利が上がった」とか、「株価が上がった」とか、大騒ぎしているのは、ネタに困っている新聞記者だけだ。「今日も変わりはありません。相変わらず不況です」という記事ばかりを、十年間も毎日書き続けているわけには行かないので、貴社が大騒ぎしているわけだ。オオカミ少年のようなものである。「大変だ! ××が来た!」と騒いで、飯のタネにしているわけだ。彼らは、そうやって、自らの無能を隠蔽しているのである。金利や株価の問題は、新聞記者の失業対策事業にすぎない。
大切なのは、「金融業界がどうなった」というようなオタクの話ではなくて、「国民経済に影響する国民純生産や国民総所得がどうなったか」ということだ。しかし、そういう大切な話は、新聞記者には、とても無理だろう。何しろ、そういう話は、マクロ経済の話であり、新聞記者には理解できないからだ。こういう半玄人(半素人)は、国民純生産や国民総所得ではなくて、金利や株価という、馬鹿でもわかるような数値しか、まともに扱えないのだ。というわけで、毎日毎日、紙面には、金利や株価という無意味な数値を論じる記事ばかりがあふれるわけだ。
ニュースと感想 (9月4日) 南堂 久史
http://www4.justnet.ne.jp/~greentree/koizumi/main.htm
(私のコメント)
最近の株価上昇を受けて債券相場の下落が話題になっている。しかしこの株の上げについては福井日銀とグリーンスパンFRBとの連携を組んでの株上げ作戦によるものだ。小泉首相もブッシュ大統領も再選をにらんで株を上げておく必要があるからだ。二人とも経済政策に弱点を抱えており、株が暴落すると再選に黄色信号がともる。
株が上がると、政府の御用記者や提灯持ち経済評論家が景気回復を囃したてる。昔ならそれで景気も回復して経済成長率も上がった。ところが最近は株が上がりGDPも回復し始めると、財政再建だ、増税だといって景気の回復に水をさしてきた。日銀も資金供給を絞り始めて景気回復の芽を潰してきた。
このような事を10年以上も繰り返し続けているのはなぜなのだろう。一番の原因は日本の銀行がなかなか潰れなかったからである。景気を回復させてしまうとハゲタカたちにやる餌がなくなるからだ。東南アジアや韓国は簡単に銀行が潰れ、国際金融資本の支配下に置くことが出来たのに、日本は大手の銀行はまだ新生銀行とあおぞら銀行しか彼らの手に落ちていない。
国際金融資本は手下の福井日銀を通じて自由に景気をコントロールすることが出来る。それは今回の株高がそれを証明している。福井日銀総裁が景気にGOサインを出す時は、ハゲタカたちが十分に材料を仕込んだ時だ。彼らは四大メガバンクを目標にしている。そのときまでハゲタカたちは福井日銀総裁にGOサインは出さないだろう。小泉首相の官邸のホームページには次のように載せている。
◆対日投資会議(第5回)
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2003/02/18tousi.html
平成15年2月18日、総理大臣官邸で、対日投資会議が開催されました。この会議は、投資環境の改善に関わる意見の集約及び投資促進関連施策の周知を目的として設けられた会議で、今日が第5回目となります。
政府では、対日投資が経済活性化に果す役割の重要性に鑑み、今年度中を目途に対日投資の拡大を目指した具体策を取りまとめることとしており、この日の会議では、対日投資会議の下部機関である専門部会から現在の検討状況が報告されました。
会議の締めくくりに小泉総理は、「施政方針演説でも述べたように、対日直接投資を脅威として受け止めるのではなく、日本を外国企業にとって魅力ある投資先とするための施策を講じ、対日投資残高を5年間で倍増することを目指す。」と述べました。
いままで日本は外資に買収されるのを、株式の持合とかの手段で防いできた。ところがBIS規制や時価会計制度やペイオフ解禁や株や土地の暴落などを仕掛けて、政府は持ち合い株を吐き出させてきた。さらには銀行ごと買い取ることによって一気に外資の導入を小泉内閣は図っている。
これはアメリカの製造業の没落を金融で挽回しようとする、アメリカの世界戦略なのだ。日本はおそらく気がついたときは、日本の主要産業が外国資本の系列下に置かれているだろう。そして生き延びられるのはごく一部のトヨタやソニーと言った一部の企業だけだろう。そして日本の労働者は安い賃金でこき使われ、利益は株主が独り占めするようになる。小泉・竹中内閣はそのような使命を持った内閣なのだ。
日本企業より優れた技術力や経営ノウハウを持った外国企業が日本に来るのは、日本経済活性化のためにプラスになる。しかし外資は、日本の技術力が欲しいから金の力で手に入れようとしている。リップルウッドなど日本のハイテクメーカーを物色している。
日本が景気良くさせようと思えば、政府や日銀が札を刷りまくって政府が需要を作り出していけばいいのだ。昔は戦争がその役割を担っていた。今はそんなことが出来ないから政府が様々な開発投資をしてゆく必要がある。いわゆる箱物やダムは悪しき実例だ。波及効果のない投資はその場限りで終わってしまう。
石油に代わる新たなるエネルギー資源開発や、エコロジーに配慮した産業に切り替えてゆくなど、政府が需要を作り出す分野は沢山ある。アメリカにしてもイラク侵略しなくとも送電設備の老朽化の更新などインフラ整備などの事業が沢山ある。戦争などには政府支出が無制限に認められるのに、公共事業の支出に厳しい非難がなされるのは不思議でならない。
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu53.htm