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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
平成15年(2003)8月21日(木曜日)
通巻663号
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中国経済、まもなく倒産と米国最大のシンクタンク・ランド研究所が予測
凄い本がアメリカで出版されました
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中国経済の脆弱さを指摘する書物は夥しいが、サンタモニカを拠点とするランド研究所のグループが中心となって編集したシナリオはすさまじい内容。中国経済の現況は80年代の日本に酷似する(ということはバブル経済の崩壊が近い、という意味)という。
グループは世界的に著名なチャールズ・ウルフ(前フーバー主任研究員、ランド大学院学部長)が中心となってK・C・イエ(ランド研究所顧問)、ベンジャミン・ザイチャエー(ケイトー客員研究員)、ニコラス・エベスタッド(ハーバード客員研究員)、それに李孫河(音訳、ランド大学院研究員)が名前を連ねている。
大まかに次の八つの質問を中国に投げかけている。
一、失業率は23%前後と見積もられるが、これは中国経済のGDP成長率を0・3から0・8%押し下げる。
二、大問題となっている「腐敗」がもっと進行すれば、成長率を0・5%押し下げる。
三、エイズがこのままのペースで蔓延し続ければ、GDPはいつかの時点で、マイナス2%もの影響を持つ。
四、水の供給が追いつかず、人口の三分の二がやがて水不足の危機に晒される。政府はこの広報をまったく怠っている。
五、エネルギー危機に遭遇した場合、すでに資源枯渇の中国は成長率をマイナス1%に押し下げるだろう。
六、不良債権が日本同様に突如爆発したらやはり成長率を1%押し下げるだろう
七、85年以来の成長を側面的に助長したのは海外からの投資だが、ある日突然、風向きが変われば(天安門危機の再来や、インド、パキスタンへの投資環境変化によるシフト)、1%以上のマイナス効果を産む。
八、台湾危機が醸成された場合、GDP成長率はマイナス1%から1・3%になるだろう。
そしてこれらが同時に起きた場合、中国経済は破滅的になるが、このグループはそうした同時発生シナリオを描いてはいない。失業とエイズを上位に持ってきており、アジア地域のエコノミストらが深刻に問題としている不良債権の爆発シナリオは下位に位置づけている。
本の原題は”FAULT LINES IN CHINA’S ECONOMIC TERRAIN”。全文はインターネットからも読める。
http://www.rand.org/publications/MR/MR1686/