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http://www.kumanichi.co.jp/kawabegawa/kiji/20030726.1.html
川辺川ダム事業をめぐる漁業権収用を審理している県収用委員会(塚本侃会長)の第十七回審理が二十五日、熊本市の市青年会館であり、球磨川漁協は五月に提出した「国土交通省が提示した損失補償額(約五億五千万円)と、算定根拠に異議はない」とする意見書を撤回する方針を表明した。
審理後に会見した塚本会長は「権利者である漁協が同意を撤回すれば、新たに補償額を鑑定する必要性が生じることもあり得る。鑑定はコンサルタントに依頼することになるが、数年単位で期間を要するだろう」と説明。そうなれば、結審時期は大幅にずれ込み、ダム本体着工も数年間遅れる見通しとなる。
同漁協は同日提出した意見書で「総会などを経ずに、理事会が補償額に関する意見書を出したことに相当数の組合員が反対している」として、五月の意見書を撤回する方針を表明。近く理事会を開いて決定し、次回審理で正式表明する見通し。
また同日の審理で、国交省は「利水事業の変更計画が取り消されても、当初計画に戻るだけ。利水目的は失っておらず、ダム基本計画は法的に有効」と主張。「利水事業が確定していない段階でも、需要があればダム事業は進められる」とし、ダム基本計画を変更する必要はないとする考えを初めて示した。
これに対し、ダムに反対する漁協組合員側は「利水の変更計画が違法として取り消されれば、それを前提とするダム事業計画も違法」と反論。収用裁決申請の却下をあらためて求めた。
収用委は利水事業者の農水省からも意見を聴取。九州農政局の上野敏光整備部長は「一年後をめどに新計画を策定する方向で進めているが、現時点でダムを取水源とするかどうかがはっきりする時期を明確に示すことはできない」と述べた。
次回は八月二十五日。新利水計画の策定作業で、総合調整役を務める県の鎌倉孝幸理事を参考人として招致。利水事業の今後の進め方について意見を聞く予定。
熊本日日新聞 2003年7月26日朝刊掲載