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7月23日(ブルームバーグ):日本銀行の福井俊彦総裁は23日昼、都内での講演後の質疑応答で「今はとにかく物価をプラスの世界にもっていくことに全力を挙げる。物価をプラスの世界にもっていくまでには、われわれは限りないリスクを取ろうと(している)」と述べ、デフレ脱却に全力を挙げている姿勢を強調した。
説明責任を向上させるため、日銀は望ましい物価水準を示すべきではないか、との質問に答えた。福井総裁は「日銀が何を目指し、どのようなプロセスを経てそれを実現しようとしているのか、日銀だけでは何ができないか−−日銀が万能だと思われると、とんでもない間違いになる−−、できることとできないことを明確に示しながら、われわれ自身の(目指している)経路を明確にしていきたい」と述べた。
福井総裁はそのうえで「消費者物価の前年比上昇率が安定的にゼロ%を上回るまで現在の量的緩和を続ける」という「時間軸」について、「中央銀行としては地獄の淵を見ながら約束している。現実の物価指数がプラスになるまで緩和を続けるなどというのは、昔の中央銀行で言えば狂気の沙汰だ」と語った。
「安心感」だけで世界救えず
総裁は「なぜならば、景気が少しでも良くなり始めると、人々のインフレ期待が下向きから横になり、だんだん上を向いてくる。上向いてきても、日銀はじっと我慢をして緩和を続けると約束している。そのことはいずれ分かると思う。そのときになって、それではいったい、これをこのまま本当に放置するのか、という時期が必ず来る」と指摘。
そのうえで「そのとき、われわれが次にどんな構図を示して、みんなと一緒に物事をしっかり考えられるかということを明示したい。今は物価をプラスの世界にもっていくことに焦点を絞っている。そこは非常に固い約束であり、われわれはそこに非常にリスクを犯しているのであって、それ以上に何か別の姿を示して、気持ちの上での安心感でこの世界を救えるというほど、問題は安易なものではない」と述べた。
自由貿易協定の拡充を
総裁はこれに先立つ講演で「時間軸」について、「その効果により数年先までのやや長めの金利が低水準で安定している。最近の長期金利上昇局面において中期ゾーンの金利の上昇が比較的モデレートなものにとどまっているのも、その反映ではないかと思われる」と述べた。
また、政府に対して「自由貿易協定(FTA)の締結という点では、他国に著しい後れを取っている。これからは、政府において自由貿易協定拡充の努力が強められ、民間の努力を後押しすることが期待される」と要請。
さらに「規制、税制面で、制約要因を取り除き、民間のリスクテイク・インセンティブを高めるとか、予算の面でも、歳出の中身を抜本的に見直して民間の資源再配分を促すなど、工夫の余地が大きいように思う。このほか、年金などの社会保障の面で将来の不安を取り除くことなど、社会経済システムの全般にわたって、幅広い改革をさらに積極的に進める必要がある」と述べた。
東京 日高 正裕 Masahiro Hidaka
Last Updated: July 23, 2003 01:18 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000002&sid=ab9_Nj2QnmnY&refer=topj