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厚生労働省は23日午前、同省所管の特殊法人・年金資金運用基金が2002年度に行った公的年金積立金の運用結果を公表した。
国内外の株価低迷などの影響を受け、全体の収益率がマイナス8・46%と落ち込んだ結果、単年度で3兆608億円の赤字、累積赤字も6兆717億円に達し、いずれも過去最悪となった。
公的年金積立金は、将来の保険料引き上げ幅を抑制するとともに、年金給付の原資となるもので、2002年度末時点では、厚生年金と国民年金合わせて、約140兆円。同基金は、このうち国債などの引き受け分などを除く部分を信託銀行などに委託する形で株式や債券に投資しており、2002年度は新規投入分の約8兆円を含む計約35兆円を市場で運用した。
この結果、世界的な株安やイラク情勢緊迫などにより、国内株式はマイナス25・41%(2兆452億円減)、外国株式はマイナス32・23%(1兆4680億円減)といずれも低迷。国内債券や外国債券は、それぞれ4・19%(6372億円)、15・23%(2882億円)の収益を上げた。
基金の市場運用分とは別に、財政融資資金へ預託した約112兆円から約3兆3000億円の利子収入がある見込みのため、積立金全体では約2400億円の黒字となる。
とはいえ、株式投資による巨額の累積赤字は、保険料引き上げや給付削減のペースを加速するとして、国民の批判を集め、年金不信を助長しかねない。同省社会保障審議会年金資金運用分科会は今年3月、株式を含む分散投資が望ましいとする結論を出しているが、その是非が改めて論議となりそうだ。
◆年金資金運用基金=公的年金積立金の運用を主とした厚生労働省所管の特殊法人。特殊法人改革の一環で、旧年金福祉事業団を衣替えし、2001年4月に発足した。理事長は近藤純五郎・前厚生労働事務次官。政府の経済財政運営と構造改革に関する基本方針では、積立金の運用は「独立した第三者機関で効率的に行い、受託者責任を厳正に適用する」ことが盛り込まれ、運用主体を見直すことが決まっている。
(2003/7/23/11:53 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20030723i102.htm