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元々は「天井」の意。各省庁が毎年8月末に来年度予算の概算要求をする際の上限として、財務省が7月末から8月初めに示す。政策的な経費である一般歳出の大枠を決めるとともに、予算にメリハリをつけるための重点配分対象や削減分野を明確にする狙いがある。
04年度予算のシーリングは、03年度同様、主要経費別に要求枠を設定していた従来方式を転換、▽政策判断で予算を増減できる「裁量的経費」、▽法律・制度を変えなければ自然に増加する「義務的経費」、▽公共投資関係費ーーに3区分して、それぞれに上限を決め、聖域なき歳出削減と配分の重点化を目指す。
04年度予算の概算要求基準(シーリング)をめぐる攻防が本格化してきた。経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)の民間メンバーは当初、29日にまとめる「04年度予算の全体像」で、公共投資関係費の一段の削減など歳出改革路線の強化を明確に打ち出す考えだった。しかし、今秋の解散・総選挙が取り沙汰される中、無用の混乱を避けたい財務省が難色を示し、結局は前年度のシーリングの枠組みを踏襲する形に落ち着きそうで、諮問会議の影は薄れる一方だ。
◆消えた「公共投資7%削減」案◆
「(17日の諮問会議で)ちょっとたしなめておいた」。塩川正十郎財務相は18日の会見で、諮問会議の民間メンバーが作成した「予算の全体像」の当初案に「公共事業関連費7%削減」との数値目標が書き込まれていたことに、不快感をあらわにした。
財務相は5月以降、「公共投資3%削減」「今年度を上回らない歳出規模」など、シーリングの相場観を繰り返し表明。同日の会見でも、改めて「(公共投資削減は)大体3%になる」と明言した。
財務省は、「歳出改革には、公共投資削減を加速させる必要がある」との認識では諮問会議と一致しているものの、「早い時期に高い球を投げ、与党の反発を買っては元も子もなくなる」(幹部)というのが本音。民間メンバーは結局、17日の諮問会議前に、原案から「7%」の数値目標を削除した。
◆トップダウン型は道遠し◆
国・地方を通じた行財政の「三位一体の改革」の柱である補助金削減でも、民間メンバーの当初案は「社会保障や公共事業などの補助金(約6兆円)を今後3年間で3割以上の削減を目途に、初年度として1割程度の削減を目指す」と明記していた。
これに対し、関係省庁は「骨太の方針で、約4兆円の補助金を06年度までに削減するスケジュールが示されたばかりなのに、なぜ新たな数値目標を設定するのか」との不満が続出。「3割以上」が「相当規模」に、「1割程度」が「初年度にふさわしい成果」にそれぞれ表現が後退した。
諮問会議の民間メンバーは、財務省主導の予算編成システムを改革し、諮問会議が中心になったトップダウン型の予算編成を目指している。しかし、歳出削減の数値目標を実現するためには、関係省庁に与党との調整を頼らざるを得ないのが実態だ。【塚田健太】
[毎日新聞7月21日] ( 2003-07-21-23:49 )