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本書のタイトルからは何とも難しそうな印象を受けるますが、数式を除けば意外に「読める」し、お役に立てる本のいようです。そこで訳者の1人、オックスフォ−ド ファイナンシャル エデュケ−ション社長の森谷博之さん(Hiroyuki Moriya/President & Risk Cnsultant/ Oxford Financial Education)に、次のようなコメントを頂きましたーー。
<訳者からのメッセージ> 金融リスクの理論」はその題名からするとリスク管理担当者、またはリスクの制御に関心のある人たちが読む本ではないかという誤解を生みやすい。この本の主張は市場にはリスクが存在し、そのリスクを正確に測ることにより、はじめて市場でポジションを張り利益を得ることができるということである。つまり、リスクテイカーこそが読んでほしい本なのである。
著者のブショーとポッターは共に有名な金融の理論家であるが同時に実務家でもあり、ヘッジファンドを運営している。市場には必ずリスクが存在し、そのリスクをどのように工夫してもゼロにはできないというのが著者たちの主張である。これはたとえばコールオプションを保持するリスクがデルタヘッジによりゼロになるという議論を展開する金融工学とは一線をかくするものである。
数式が多いので難解であるというイメージを受けるが、数式は一切無視して読んでほしい。数式を無視したとしても著者たちの主張はひしひしと感じられる。むしろ実務経験のあるトレーダー、高度な知識をお持ちの個人投資家必携の書である。つまらない金融工学の解説書よりも、こちらのほうが圧倒的な刺激を受ける。トレーディングの奥義としてのテクニカル分析と現実離れした金融工学のギャップを埋める名著。
(J.-P.ブジョー+M.ポッター著、森平爽一郎監修、森谷博之+熊谷善彰訳、定価<本体4,800円+税> 朝倉書店)