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「法的整理を決める前に、産業再生機構の利用を検討いただく案件ではなかったのか−」
昨日(7月1日)の定例会見の席上、谷垣禎一産業再生担当相は、こう不満を口にした。
谷垣大臣の不満の矛先は、去る6月29日に会社更生法の適用を申請した、国内大手フェリー会社の「東日本フェリー(本社・札幌市)」に向けられたものだ。
「そもそも産業再生機構は、実際に支援が決定した企業以外のケースについては、原則として個別案件を明らかにしないことになっている。昨日の谷垣発言は、そうした“原則”を明らかに破ることになってしまった。それではなぜ、谷垣大臣がそこまで踏み込んだ発言をしたのかというと、この東日本フェリーの一件に関して産業再生機構サイドが相当な不満を持ったからだ。『東日本フェリーのようなケースこそが、産業再生機構の出番』というのが産業再生機構サイドの一致した見方。ところがこうした産業再生機構の思惑は完全に無視されてしまったのだ」(産業再生機構中枢幹部)
ここへ来て産業再生機構は、霞が関や金融業界の中で完全に孤立無援の状況に追い込まれつつあるのが実情だ。
「特に金融庁とは、国有化に追い込まれたりそなグループの処理策をめぐって全面的に対立してしまったのです。そしてこの一件が尾を引く形で、今だにこの両者は冷戦状態にあるといっていいでしょう」(大手都銀役員)
その一方で、銀行業界の産業再生機構に対する見方も極めて冷ややかだ。
「そりゃそうでしょう。そもそも銀行業界は大手行を中心に、設立準備段階の産業再生機構に数十人規模で要員を送り込んでいたのです。ところが機構が立ち上がる直前になって、1人の事務連絡要員を除いて全員が銀行に戻されてしまったのです。これは機構サイドの強い意向が働いた結果です。こんな状況で機構に対して前向きに協力などできない」(大手都銀担当者)
つまり銀行業界にとって産業再生機構は“敵”なのか、それとも“味方”なのかいまひとつ判然としないというのだ。
「機構にとって最大のバックボーンとなるはずの経済産業省もここへ来て機構とは距離を置きつつあるのが実情です。今や機構に対してシンパシーを持って接しているのは、竹中平蔵経財・金融担当相と日銀だけという状況になりつつあります」(大手都銀担当者)
産業再生機構幹部が言う。
「マスコミ報道的には、7月末にも第1号案件が、ということになっていますが、どうやらそれも非常に難しい状況になりつつあります。しかしここで焦って変な妥協をしてしまったならば、産業再生機構の存在意義は無くなってしまいます。実際に実務を担当する冨田COO以下ここは焦らずじっくりと対応していこうということで一致しています」
いずれにしても産業再生機構にとって最大の障害となりつつあるのは、金融庁の存在と言っていいだろう。
「金融庁が徹底的に非協力的なスタンスをとっている以上、銀行業界としても動きにくい」(大手都銀役員)
どうやら最大の“敵”は、金融庁であることに間違いないようだ。
2003/7/2