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BNPパリバ証券会社・経済調査部チーフ・エコノミストの河野龍太郎さん(Ryutaro Kono/Chief Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)は、「我々は、現在の株高や金利上昇は、過去数ヶ月間続いていた「極端な悲観の修正」と位置づけている」と語る。
<デフレ下でも輸出主導の緩慢な景気回復はありうる> 日本経済に対して過度な悲観が蔓延し、あたかも低迷が永久に続くかのような予想が広がっていた(=30年国債利回りの1%割れ?)が、 その修正である。デフレが続く限り本格回復は難しいとはいえ、「デフレ下であっても輸出主導による緩慢な景気回復はありうる」。昨日発表された短観では、大企業・製造業の業況判断は改善していたが、全産業・全規模ベースでは横這いであった。輸出関連セクターの改善が目立ったが、以下述べるように、4−6月の 消費関連セクターは低調である。
<「ボーナス明細書 ショック!」が自動車販売に打撃> 6月の乗用車販売は、前年比▲3.4%と3ヵ月連続で前年水準を下回った。3ヵ月連続 前年比マイナスがみられたのは、前回の景気後退期の最終局面であった01年9 月〜11月以来となる。乗用車販売は、02年春先から買い替え需要の増加もあって回復に転じ(97年4月の消費税率引き上げ前の96年〜97年初に乗用車販売は大幅に増加した)、その後は横這いが続いていた。だが、03年4−6月に減少に転じたとみられる。 4−6月に乗用車販売が悪化したのは、「4月からの重量税増額を前に1−3月に駆け込み需要が発生したことの反動減に加え、雇用者所得の落込みが続く中で4月から社会保障負担の増大によって可処分所得が圧縮されていることが大きく影響している」と言う。6月には、制度改訂によって厚生年金保険料と医療保険料が月額給与同様、 ボーナスからも控除されるようになり、ボーナスの手取りが大きく目減りした勤労者世帯が多かったことも無関係ではないだろう。いわゆる「ボーナス明細書ショック!」である。
<4−6月GDP全体も小幅のマイナス成長か> すでに発表されている4−5月の百貨店などの販売統計はいずれも低調だった。 昨日発表された日銀短観でも、全体の景況感が横這う中で、ボーナス商戦での苦戦を背景に、大企業・中堅企業の小売りセクターの業況判断DIは悪化がみられており、「今後発表される6月の消費関連指標も低調となる可能性が高い」と見ている。4−6月の GDPベースの個人消費は前期比マイナスとなる可能性が高く、GDP全体も小幅のマ イナス成長、よくても1−3月同様ゼロ成長にとどまるとみられる。