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国際決済銀行(BIS)は三十日、スイスのバーゼルで年次総会を開き、年報を発表した。BISは年報のなかで世界規模で物価下落が広がる「世界デフレ」に強い懸念を示す一方、長期のデフレ不況にあえぐ日本経済を例に挙げ、デフレに陥った場合の金融政策について研究することが重要と指摘している。
年報は「世界の多くの国でディスインフレ(物価上昇率の低下)圧力がかかっていることが明確になったほか、一部の国はデフレに入ったか、入る恐れが出てきた」と分析。その影響について、「特に資産価格急落を伴う場合、経済にとって極めて破壊的となる恐れがある」と強く警告している。
世界的なデフレの要因については、IT(情報技術)バブルの崩壊に加え、経済のグローバル化の進展で、中国などの労働コストの低い新興市場国が安い製品を輸出するようになったことを挙げ「世界にデフレを輸出している」と指摘している。
そのうえで年報は、日本経済、特に、日銀の金融政策について検証。先進国で最もデフレが深刻な日本を“教訓”とし、デフレ回避や克服に有効な手段を探っている。
日本では、日銀のゼロ金利政策により、金利の上げ下げによる「伝統的な手法」が機能不全に陥り、市場に潤沢な資金を供給する量的緩和などの「非伝統的な手法」を採用している。
こうした非伝統的な手法について年報は「長期国債大量買い入れが最初の対応策になる」と指摘。量的緩和の手段として日銀が実施している国債の買い切りオペの拡大を事例に挙げた。ただ「長期金利が上昇(債券価格が下落)に転じた場合、中央銀行が巨額の損失を被る」と、副作用にも懸念を示している。
日銀が銀行保有株や資産担保証券など損失リスクの高い資産の購入に踏み切ったことについても、「中央銀行の財務問題に発展する」と警告。一方で、日銀が導入に消極的な「インフレ目標」については、「中央銀行の独立性強化にも貢献し得る」と指摘し、導入を促している。
世界デフレをめぐっては、欧州中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)が相次いで日本を教訓に予防的な利下げを実施した。日銀は「量的緩和にも効果と副作用がある。実験モデルとして得るものは多いはず」(幹部)としている。