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中前 忠氏:【米国】住宅ローンバブルの終えん(2003年6月20日 日本経済新聞(夕刊)「十字路」掲載)
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/872.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 30 日 14:17:44:


 英米型の低金利政策は、住宅市場の刺激を通じて、消費の喚起を目指す。英国では、住宅価格の上昇による資産効果が重要だが、米国では、住宅ローンの借り換えの促進がより重要である。

 米国の住宅ローンの特異性は、固定金利の借り入れでも金利が低下した場合、容易に借り換えができるだけでなく、住宅ローン以外の使途にも利用できることだ。昨年の数字でいうと、6700億ドルの借り入れの内、住宅投資に向かったのが4000億ドル、残りの2700億ドル(来年度減税額の二倍弱)は現金で引き出され、このかなりの部分が高額の耐久財消費に向かっている。

 ITバブル崩壊後の設備投資急落のなかで経済を支えてきたのは、こういった形での消費の拡大であったが、このような住宅ローンの急増に持続性があるはずがない。住宅ローンの可処分所得に対する割合77%、住宅評価額に対する住宅ローンの割合45%は、共に1945年の統計開始以来の最高水準だ。失業の増加や持ち家の値下がりが加速してくると、ローンの返済が滞ったり、債務超過に陥るリスクが急激に高まってくる。

 最近、消費者の定期預金が急増してきているが、これは将来のローンの返済に備えてきているものと見られている。5%強の住宅ローン金利に対して1%程度の定期預金では逆ざやだが、それだけ消費者が警戒的になっているのだ。

 もう一つの問題は、住宅ローンの貸し手である住宅金融公社の採算が、金利低下の下で長短金利差が縮小することによって、着実に悪化していくことである。借り換え効果によって、長期金利にあわせて貸出金利が低下していくからである。ローンバブルをあおるような米国の金融政策が行き詰まるのは時間の問題といってよい。

 (中前国際経済研究所代表 中前 忠)


http://www.nier.co.jp/kijikanri/news/news-00516.shtml

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