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米国中央銀行(FRB)、過去2年半で13回目の利下げ ☆☆ [住友ゴールド]
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/833.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 28 日 16:50:10:


注目の米国の利下げが決まった。引き下げ幅は、0.25%と小幅なものにとどま
った。

FRBが、その定例の金融政策決定会合(FOMC:連邦公開市場委員会)で決め
たもので、これで過去2年余りの間で13回目の利下げである。そして金利の水準
は、とうとう45年ぶりの低水準の1%となった。FFレート(フェデラル・ファ
ンドレート)と呼ばれるもので、金融機関がお互いに資金を融通する際に適用され
る金利のことである。

今回の引き下げを見るにあたっての直接的なポイントは2点あった。引き下げの幅
がどうなるのか(事前予想は0.5%と0.25%に2分されていた)。そしてF
RBが、当面の景気見通しをどう捉えいるのかを示す政策スタンスの内容はどうな
るかである。その上で、株式市場や為替市場がその結果にどう反応するのか、また
金価格は、というふうに分析を進めていくわけだ。特に株式市場は予想をはるかに
越えた堅調展開が続いており、その背景が金利低下期待とFRBによる現実の通貨
供給量増加政策の実施だった。前回取り上げたが、要は、金余りが作り出した期待
先行型のミニ・バブル相場であって、現実の景気あるいは企業業績の回復に見通し
がつかなければ、短命に終わる性格の強い相場であるからだ。株式市場関係者にし
てみれば下半期についてFRBのお墨付きが得られればというわけだ。

まず結果は、すでに報道にあるように0.25%という小幅なものだった。政策判
断は、前回5月の「景気配慮型」から景気の回復と悪化の可能性は半々と見る「中
立型」にもどされた。ただし、デフレ懸念に対応するために予防的に金利を下げる
というスタンスを示した。

少し難しくなるが、景気見通しと物価の低下が続く(つまり「デフレ」の)可能性
を、それぞれ独立したものとして分けて考えようということである。こうした判断
は、初めてのことであり、したがって報道では「きわめて異例」などと表現されて
いる。もともとデフレという経済状況には、景気後退の影がついてまわるものであ
る。数字の上で経済が拡大するインフレ(膨張)と違い、デフレは縮小を意味する
ため、後退というイメージが強いのは否めない。判断としては、放っておくと後退
につながる可能性があり、後手後手に回り真性デフレに陥った日本の二の舞を避け
るためにも、金融緩和で予防しようというものであろう。景気後退の可能性を前面
に押し出した場合の心理的マイナス効果を避けるため、敢えて分けたとするなら
ば、どのようにも受け取れる“玉虫色”の判断とも言える。

これに対し、まず25日当日の株式市場は下げで反応した。

FOMCの結果が発表された当地午後2時15分以降に下げ足を速めた株価は、ダ
ウ平均で結局前日比 98ドル安となった。0.5%の下げまで予想して買い進まれ
ていた債券市場も、肩透かしを喰らったかたちで急落(金利上昇)している。しか
し、翌26日の株式市場は、67ドル高と上昇、債券市場は続落となった。株式市
場の方は、まだ先行きを計りかねている様子である。最近の傾向からすると、やは
り希望的観測というか明るい方向を見ようとの姿勢が強く出ているように見える。
すなわち、0.5ではなく0.25との判断は、それだけ深刻というわけではない
シグナルであり、FRBが慎重ながらも楽観見通し(?)を示したことは、示さな
かったよりはいいわけで、前向きに捉えればノープロブレム(問題なし)というわ
けだ。“数値は良くないが、予想した数値より悪くはない、したがってその数値は
いい数値” ならば株は買い、という判断は、あのテロの後の上昇相場のなかで見ら
れたものと同じである。

ところで最近、知人がまわしてくれるヨーロッパからのメモに、「一人、二人と寝
返るように米国株の強気が増えている」という件(くだり)があった。現地の金融
機関に勤める日本人ディーラーの日常業務上の雑感という感じのメモなのだが、わ
ずか数行のなかに現場の“息使い”が分かるような部分があって、けっこう興味深
く読ませてもらっている。トレンド・フォロアーというが、流れについていかなけ
れば儲けそこなうという意味でもプロも判断に悩んでいるのである。しかし、6月
末が上半期の締めであることと、7月に入りさっそく(3日)6月の失業率発表が
控えていたりと、株式市場は、これから日々のデータに乱高下を繰り返す度合いが
高まりそうだ。

その中で金市場のほうは、このところユーロに連動していることもあり26日のN
Y市場でドルが対ユーロで急騰したことから売りを浴び、5月9日以来の340ド
ル台に入っており本日は343〜345ドルのレンジで推移している。前回、最初
の下値メドを346としたが、それを下回り第一の攻防ラインにいる。この水準
で、このところ買い越しが目立ったファンドの決済売り(手仕舞い)をこなすこと
ができれば、下値を切り上げる展開になる。専門的には200日移動平均線が34
0ドル程度まで上昇しており、まずはそこで止まるのではないだろうか。これも希
望的観測と言えなくもないとの自戒の念はある。(6月27日)


金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎
※本レポートは執筆者の個人的な見解を述べたものであり、実際の投資にあたってはお客様ご自身にてリスクをご判断ください。


http://www.sumitomo-gold.com/market/index.html

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