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UBS証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Securities Japan Ltd.)は今日のポイントとして、「FEDの腕の見せ所」を挙げる。
<米FEDは早晩、口先介入強め、長期金利の安定図る> 米国長期金利の反転上昇傾向が鮮明になり、米ドル相場も堅調となっている。米 国債券市場では、25bpの利下げを「FEDが景気回復に自信を持ち始めたことの証左」と受け取っている。 債券市場にとっての今後の焦点は、「長期金利の上昇に対するFEDのスタンスである」と見る。容認するのか、口先介入をするのか、それとも、追加利下げをにおわすのか。個人的には、FEDは、「早晩、口先介入を強め、長期金利の安定を図るのではない か」と考えている。今回の利下げ決定時のステートメントで明らかになったよう に、FEDは先行きの物価動向に対して慎重な姿勢を崩していない。FEDにとって、 長期金利の持続的な上昇は時宜尚早なものであろう。そして、「長期金利の上昇を背景にした米ドル相場の反転上昇もまた、望まざるもの」と語る。
<上手く行けば、来年の景気回復はより磐石へ> チャート(後掲)が示すように、米国の実質長期金利(10年債利回りマイナスCPI コア前年比)は、4月にいったん2.5%まで上昇した後、追加緩和期待を背景に、 6月平均では、2%を切る水準にまで低下した(昨日時点では2%程度)。FEDは、 追加緩和期待を作ることによって、歴史的にみて最低水準となる実質長期金利を 実現したのである。こうした演出が、FOMCでの利下げ決定から、ほんの数日のう ちに効果を失うことをFEDが容認するとは考えにくい。名目長期金利、米ドル相 場の同時的な上昇は実質長期金利の上昇を意味するからである。「債券市場のはや る気持ちを抑え、長期金利と米ドル相場のコントロールができれば、実質長期金利は2%近傍から離れることなく推移する」。そうなることで、来年の景気回復は より磐石なものとなとして、「今後、数ヶ月がFEDの腕のみせどころである」と言う。