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道路公団改革論議が停滞している。月1回開催の道路関連4公団民営化推進委員会が24日開かれたが、公団が作成した財務諸表について、昨年から繰り返されてきた論議を交わすことに終始し、民営化法案策定の具体的スケジュールすら示されなかった。政治的に最大の焦点となるのは、公費を投入して建設する不採算路線の選定作業だが、9月の自民党総裁選後に持ち越される公算だ。構造改革の金看板も、小泉純一郎首相の総裁再選までは事実上休眠し、日程消化に費やすことになりそうな雲行きだ。
民営化論議は現在、国土交通省主導で進められているが、「採算割れしていない」という財務諸表を発表した後は、様子見を決めこんでいる。
同省主催の「道路事業評価手法検討委員会」が、民営化によって切り捨てられる不採算路線を、国と地方が公費で建設する「新直轄」方式の基準を策定中だが、「地域にとっての必要度」を数値化する作業をめぐって意見がなかなかまとまらない。
基準決定は、個別路線の成否と地元国会議員の利害に直結するだけに、同省関係者は「決めた途端に国会議員が騒ぎ出すから」と、難航している裏事情を解説する。5月上旬まで、路線の選定作業は6月末からピークを迎えると見込まれていたが、今や9月以降になるのは確実な情勢だ。
民間有識者が集まる民営化委は、国交省ペースにいら立ちを募らせるが、23日の衆院予算委員会では、小泉首相からも冷や水を浴びせられた。民営化委の「公団5分割案」について問われた首相が「いくつにするかはこれからの問題」と答え、最終報告と異なる見解を示したからだ。
民営化委は24日の会合で、全国で2000人程度を無作為抽出する世論調査を実施することを決定。建設の優先順位の基準作りに利用し、国交省主導の流れに対抗する狙いだが、事務局から「調査の性格が不明りょう」と異議が出る始末。昨年末の最終報告決定の過程で失った影響力の回復は容易ではなさそうだ。
会合では、公団側から「道路は立派な資産なのになぜ減価償却する必要があるのか」といった民営化の枠組みそのものを無視した発言も飛び出す始末。「民営化会社の5分割を前提に財務諸表を分析する」など既定の方針を再確認するのがやっとという有り様だった。【田中成之】
[毎日新聞6月25日] ( 2003-06-25-00:40 )