現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産27 > 720.html ★阿修羅♪ |
|
昨年6月に発表された米Fed論文「日本からの教訓」では、デフレのコストはあまりにも大きいためデフレにしてはならない、小さくてもデフレのリスクがあるなら、インフレリスクを恐れずに、積極的な金融緩和を行うべきだ、ということが強調されている。「過度な金融緩和を行ってインフレ率が加速するようなことがあっても、それは通常の金融政策で十分対処できる」と、BNPパリバ証券会社・経済調査部チーフ・エコノミストの河野龍太郎さん(Ryutaro Kono/Chief Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)は語る。
<共通点の多い、94年の日本と現在のアメリカ> 米国はデフレを回避できるか」というのが、このところのマーケットの関心事になっている。現在の米国の物価・経済状況を見ると、センチメント・インデックスの改善など景気回復の兆しが現れる一方で、インフレ率は低下傾向にある。 こうした状況は、「93年末から94年前半の日本経済にかなり似ている」と言う。当時、日本では、インフレ率は1%を切って低下を続けていたが、景気回復の兆しが見え始めていたこともあって、金融緩和は一時中断されていた。「この時の金融緩和の中断が、後に日本経済を苦しめるデフレの一大要因となるのである」として、さらにこう語る。「日本の失敗は明らかである。93年後半、94年にインフレ率の低下を放置すべきではなく、伝統的な金融緩和策が機能している間に積極的な利下げを続け、ゼロインフレを回避し、さらに踏み込んでインフレ予想を高めるべきだったのである」
<潜在成長率3%台前半超の高成長続くまで低金利政策維持へ> 同社では、2003年7-9月から米国経済は前期比年率で3%台の緩やかな回復に転じる、と予想している。しかし、インフレ率は、これまで拡大した大幅な需給ギャップの影響もあって低下が続く見通しである。現在の米国の物価・ 経済状況は、93年末〜94年前半にかけての日本経済にかなり似ている。「日本 からの教訓」を本当にFRBが学んでいるのなら、「年後半から景気回復が始まるとしても、デフレリスクを完全に排除するために追加の金融緩和を行う可能性が高い」と言う。同社では6月25日にも50bpのFFレート引き下げの可能性が高いと見てい る。また、インフレ率を加速させるために、米国の潜在成長率である3%台前半を上回るほどの高い成長(例えば4%程度)が続くまでは、「低金利政策を維持する」と、予想している。