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▼アソバイザー/債券相場、日本財務省がドル安・円高を容認か否かによる [Yen Dokki!!]
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/715.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 20 日 19:37:33:


UBS証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Securities Japan Ltd.)は今日のポイントとして、「債券相場の本格的な調整はまだ来ない? 」を挙げる。

<足元の債券相場調整の「3つの背景」とは?> @5月の米国CPIの反転上昇、A株価の堅調推移、B来週のFOMCにおける利下げ期待の後退、が足元の債券相場調整の背景であると語る。 債券相場の動向に決定的な影響を与えるのは、米国の物価動向(CPIコア前年比 )である。同社米国チームによれば、CPIコア前年比は、年内一杯落ち着いた推 移を示す見込みである(直近5月は+1.6%、2Q、3Qは+1.5%、4Qは+1.6% の見通し)。 従って、「債券相場が本格的な調整局面を迎えるとの見方はできない」。債券市場の プレイヤーは、「世界的なディスインフレ継続の呪縛」から、簡単に逃れること はできない、と見る。同社の10年国債利回りの3ヶ月予想は、コア・レンジで0.5 〜0.7%(中心値0.6%)である。

<米ドル相場軟化・円相場堅調は、「債券売り」のサイン> しかし、リスクがないわけではない。「米国におけるディスインフレ期待が変化しない保証はないから」である。米国FEDの追加的な金融緩和の下で、米ドル相場が 再び下落基調となれば、輸入物価の再上昇を通じて、米国CPIが趨勢的な反転局 面に入る可能性もあるからである。米ドル相場軟化・円相場堅調は、「債券売り」のサインであることに注意したい。 「日本政府が債券相場の本格的な下落を止めたいと考えた場合、切れるカードは2 枚ある」と言う。1枚目は、日銀による量的緩和の追加(輪番オペ2000億円の増額を含む)。 具体的には、10年債利回り0.7%台が定着すれば、次回会合(来週25日)で輪番 オペの追加増額(2000億円)があると見ている。日本の追加緩和は米ドル相場下落を予防することで、米国のディスインフレ期待を長期化させるからである。2枚目は、 財政緊縮スタンス堅持の表明である。国債追加発行期待を封じ込めることである 。

<1.0%程度まで上昇で、年初来株式キャピタル・ゲイン相殺> なお、同社のごく単純な試算によれば、10年債利回りが1.0%程度まで上昇する と、株価が9000円であった場合、年度初来でみた、株式保有のキャピタル・ゲイ ンが、債券保有のキャピタル・ロスによって、ほぼ相殺されるとみられる(民間 金融機関全体、社債等を含む全債券市場を対象)。従って、株価横ばいの下で10 年債利回りが上昇を継続した場合、1.0%程度では、かなり露骨な国債PKO措置が 出てくると予想する。ただ、現状では、株価横ばいの下での長期金利の持続的上昇は想定しにくい、としている。

<最も重要なポイントは、日本の通貨政策> 繰り返しになるが、最も重要なポイントは、日本が、米ドル安を認め、米国経済 のディスインフレからの脱却を後押しすることになれば(日本は、円高容認の下で財政出動を思い切って追加)、債券相場の持続的な反転が起こる可能性がある 、ということである。しかし、日本の当局は、当面は、金融緩和の追加によって 円相場の安定を図ろうとするであろう。これによって、米国経済のディスインフ レからの脱却が遅れれば、「債券相場の持続的な反転はない」と言う。債券相場の先行きは、日本の財務省がドル安・円高を容認するか否か、にかかっている。


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