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日本は時価から簿価会計に戻るべき:外国人専門家が自民会合で異論? (ブルームバーグ)
2003年6月19日(木)15時21分
6月19日(ブルームバーグ):自民党の金融再生特別委員会、金融調査会、財務金融部会、デフレ対策特命委員会の合同会議は19日午前、時価会計の見直し問題について外国人専門家から意見を聞いた。報道陣に公開された会議では、外国人専門家は、現在、導入されている時価会計制度そのものに関して、否定的な意見を表明した。
「簿価会計にもどるべきだ」
エコノミストで『円の支配者』などの著作がある上智大学経済学専任講師のリチャード・ベルナー氏は「簿価会計にもどるべきだ」と指摘。「時価会計は取得原価ではなく理論値を用いるので、現実的ではない」と述べたほか「本当に取引されないと、損益がどれだけ出ているのか分からない」と強調した。時価会計を「採用している国は少数」とも述べた。
そのうえで、現在、自民党が導入を検討している有価証券の強制評価減の適用を「選択制」にする案について「選択性も非常にいいのではないか」と評価した。
さらに、ベルナー氏は会計基準について「経済の安定を高めるものを使うべき」と述べ、日本から資本が逃げる懸念はなく「むしろ景気が良くなる政策をとっている、と言えば、資本は逃げないのではないか」と指摘した。
より情報開示の徹底を
ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券・東京支店長のジャン・フランソワ・ミニエ氏は、「そもそも会計制度というのは、その国の経済構造に準じて採用されなければならない」としたうえで「日本が時価会計を導入したのは外圧があったからだ」との見解を表明した。
また、「米国では、持ち合い株はほとんど存在しない。日本の長期持ち合いに相当するのは米国では年金である。しかし、米国では年金に時価会計制度は採用されていない」と述べ、商慣行や資本に関する考え方に米国と根本的に違っている日本で、米国流の時価会計制度をそのまま導入することに疑義を呈した。ミニエ氏は「長期保有資本に関する国際的な統一基準がつくられなければならない」と語った。
ミニエ氏は、日本では情報開示をもう一段、徹底することが必要とも強調。「時価会計を導入しないかわりに、もし制度が採用されたら、どの程度の資産価値があるかを、決算書の脚注などで示す必要がある」と述べた。その理由として「プロの投資家は、そいうった開示があれば、自分たちで計算ができ、かつ判断をくだすことができる」ためとした。
一方、財務会計基準機構の企業会計基準委員会は時価会計を選択制にすべきとする与党要求を拒否し、会計基準変更を認めない報告書をまとめた。金融再生特別委員会の太田誠一委員長はこの日の会議で、「与党3党の申し入れを拒否している根拠は、時価会計を変える、あるいは元に戻すと、日本の会計についての国際的信用をなくして、海外からの投資がなくなっていまうということ」と述べたうえで、「本当に他の方式にあらためた場合、海外からの投資はなくなるのか」と疑問を提起した。
東京 岩崎 まり子 Mariko Iwasaki
http://news.lycos.co.jp/business/story.html?q=19bloombergto927618&cat=10