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UBS証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Securities Japan Ltd.)は今日のポイントとして、「米国CPIと債券相場」を挙げる。
<債券相場が反転下落は、持続的上昇終焉を意味?> 債券相場が反転下落している。「ついに持続的上昇に終止符が打たれるのであろうか」と自問する。多くの債券市場プレイヤーにとっては、単なる確認に過ぎないかもしれないが、JGB市場は、2001年末以降、米国CPI(あるいは米国債利回り)との連動性を大きく高めている。逆に言えば、「国内の生産循環やCGPIの動きをほぼ完全に無視した状態が継続している」と語る。
<米国CPIの動き如何で、天井打ち反転下落へ> したがって、債券相場が天井を打ち、趨勢的な反転下落局面に入るかどうかは、 「米国CPIの動き如何であると言っても過言ではない」と言う。ここで、同社の米国マクロ経済チームによれば、CPIコア前年比は、年内は、ほぼ横ばいで推移(直近5月は+1.6%、2Q、3Qは+1.5%、4Qは+1.6%の見通し)する見通しとなっている 。すなわち、米国内のデフレ圧力は、当面は、強まることも、弱まることもない 、という予想である。こうした物価見通しが仮に正しいとすれば、「足元での債券相場の調整は短期間のうちに収束する可能性が高い」
<今後の焦点は 、米ドル相場下落の持続性> しかし、「そうならないリスクも無視し得ない」と言う。最近の米国CPIをみると、財価格 の下落圧力はやや高まっているようにみえる一方、サービス価格は前年比3%程度の伸びを維持しており、きわめて堅調である。この点に関して、「今後の焦点は 、米ドル相場下落の持続性である」。同社が予想するように、米ドル相場が中期的に下落を継続すれば、足元で上昇ペースが鈍化している米国の輸入価格に再度上昇圧力がかかることになる。その結果、財価格が予想以上に安定化すれば、CPI 全体の趨勢的な反転が生じる可能性も出てくる。こうなると、「債券市場にとって は大きなストレスとなる」
<米国はすでにインフレ・ターゲット採用しつつある・・・> 米FEDは、株価の緩やかな上昇の下でも、保険としての追加緩和を実施するスタンスにあるとみている。こうした政策は、「米ドル相場に対する上昇圧力を抑制し、CPIを前年比2%レベルにまで復活させることを企図したものである」と言える。「米国はすでにインフレ・ターゲットを採用しつつあるとの評価も可能」と捉えている。来週のFOMCの追加緩和によって、CPI下げ止まり期待が出てくれば、国内債券相場が一段と崩れるリスクもあるとして、「来週のFOMCは大いに注目される」と言う。
<JGB相場下落が継続した場合のシナリオ> なお、JGB相場の下落が継続すれば、「来年度予算における緊縮スタンスの堅持が確認されるとともに、日銀による輪番オペ増額議論が再燃してこよう」。しかし、 輪番オペの増額を行っても、120円を超えるような円相場の下落が生じなければ (米ドル相場下落圧力が消えなければ)、国内債券価格の再上昇は望めないかもしれない。「ドル安による米国のデフレ解消といったストーリーの蓋然性が債券相 場の鍵を握る」と指摘する。