現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産27 > 657.html ★阿修羅♪ |
|
[焦点]円債急落も一時的調 整との見方、株堅調持続なら強気相場“梅雨入り”も
2003年6月18日 伊藤 純夫記者
[東京 18日 ロイター] 18日の円債市場では、後場に入って債券相場が急落、先物中心限月9月限は約1カ月ぶりの144円割れとなった。現物相場も軒並み軟調に推移、10年最長期国債利回り(長期金利)は0.540%に上昇した。背景には、日米株価の堅調地合いや欧米の金利上昇などに対する懸念が指摘されており、市場では、これまで長く続いてきた強気相場が、“いったん梅雨入りする可能性がある”との見方も示されている。ただ、日本のファンダメンタルズや経済政策に変化が見られない中での金利反転上昇には懐疑的な向きが多く、相場急落も一時的な調整との見方が支配的だ。
18日の先物9月限の下落幅は一時、前日比80銭を超えた。複数の市場関係者によると、現物中期ゾーンを中心に、都銀勢からとみられるまとまった利益確定売りが持ち込まれたことが引き金になったという。これが先物や現物長期・超長期ゾーンに波及した、との見方だ。
ただ、前日に実施された20年国債入 札で応札倍率が低下したことや、セカンダリー市場での消化の鈍さから、債券市場の地合いの悪化を指摘する声も聞かれていた。加えて、予想外に堅調な内外株価に対する警戒感も出始めていたなか、17日の米国市場で、米消費者物価指数(CPI)を受けて大幅利下げ観測が後退、米債相場の下落が追い討ちをかける格好となった。
大和証券SMBC・チーフストラテジストの末澤豪謙氏は、きょうの相場急落の背景について、「米国の大幅な利下げ観測が後退したことで、需給相場の下支え要因がはく落、急落を招くきっかけになった。一本調子に上昇する相場で、利益確定売りのタイミングも後ズレしていただけに、売り物が集中した」と述べている。
また、市場では、これまで継続してきた強気相場が、「いったんは梅雨入りする可能性がある」(都銀)との声も出ている。農中証券・チーフストラテジストの落合昂二氏は、相場急落を受けて、「押し目買いの動きも引かざるを得ないだろう」と指摘。そのうえで、「きょうの売りは、外株上昇、外債売りがきっかけになったとみているが、日経平均株価も前日比プラス圏で取引を終えている。株価がしっかりとした動きを続けている限り、債券相場は戻り売りの展開になりやすい」とし、株価動向次第では、一段の金利上昇の可能性に言及している。
ある邦銀関係者は、円債市場でこれまでの円債一辺倒の投資スタンスを修正したいとのムードが出始めている、と指摘する。その関係者は、「外国株の上昇や、下落したとは言っても高値圏にある米欧国債にマネーをより振り向けようという考えが、一部の機関投資家などに芽生えてきている。今までのように余資の大半を日本国債に振り向けるという構図に変化の兆しが出てきている」と指摘。
さらに、「何か大きな変化のうねりがあるのではないか、との予感から、債券市場から逃げようという気持ちになっている参加者が出てきている」と話す。
しかし、債券市場で、金利上昇トレンドに入ったとの見方は皆無。むしろ、「これまで一方的に金利低下、ブルフラット化が進行してきた中での健全な調整」(都銀)との見方が支配的だ。
大和証券SMBCの末澤氏は、「今回の急落は一時的。金利が大きく反転するには、年後半にかけて米国の安定成長のシナリオが明確になる、国内の経済政策が景気重視型の路線にシフトする、といった大きなインパクトを与える材料が必要」と指摘。
その上で、今後の債券相場について、「来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)があるまでは、長期金利は0.5%を挟んだ水準でもみあいが続くだろう」との見通しを示している。
※(伊藤 純夫記者 ロイターメッセージング)
http://money.msn.co.jp/news/newscon.asp?nt=1&st=&ac=nTK1785860&cc=02