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小泉政権のネオ・コン化
ネオ・コンとは米国政府の指導理念となった「新保守主義」のこと。新保守主義とは軍事力をもって米国的政治システムを各国に押しつける強権政治のことである。
ブッシュ政権は反米的政権の存在は許さない。アフガニスタンのタリバン政権、イラクのサダム・フセイン政権は米国の容赦なき軍事攻撃を受け、あっという間に崩壊した。米国のイラク攻撃に反対したドイツのシュレーダー首相はブッシュ政権から無視されつづけている。フランス政府に対しては米国指導者は「報復」を公言しつづけている。ブッシュ政権は世界の帝王的存在となった。
小泉政権はブッシュ政権と一体化する方向に動いている。小泉首相はブッシュ大統領の最も忠実なジュニア・パートナーになっている。ブッシュ政権が目指しているのはブッシュ大統領を盟主とする「米英日」三国同盟である。小泉首相は米英日三国同盟の三番目の同盟者なのだ。
米国絶対体制ともいうべき現在の国際体制のもとで、各国は米国に嫌われぬように振る舞わなければならない。フランスやドイツのように孤立させられるおそれがあるからだ。だが、中国もロシアも米国との亀裂を避けながら、自国の国益を貫こうとしてしたたかに努力している。
ところが小泉政権は日本の国益を守ることに不熱心だ。日本の国益より米国の利益を大事に考えているのではないかと心配になるほど、小泉首相は米国ベッタリ主義者である。日本の政界内部にネオ・コン思想が急速に広がっている。小泉政権自体がネオ・コン化に傾斜している。
小泉首相が進める構造改革は、結果的に、日本経済を米国資本の支配下に置くことを助ける“売国”である。これを行うことによってブッシュ大統領の寵愛を受けている。
米国流グローバリズムと日本経済
今日の日本の中央官庁のキャリア組の大部分は、入省後、米国に留学して高等教育を受けた人たちだ。彼らの多くは米国的な経済合理性と競争システムが最良であり、これを日本に導入することが日本のため、世界のためだと信じ込んでいる。経済のグローバル化の過程で日本の国益が減少し、米国へ移転していることに少しも疑問を持とうとしない。
だが、現実を見よ。01年3月の日米首脳会談で米国政府から押しつけられた「不良債権の早期処理」は、日本の金融機関の破綻を促進し、多くの中小零細企業を倒産・廃業に追い込み、大量の失業者を生み出した。
03年4月末の完全失業者数385万人(5.4%)、フリーター410万人。このほか、完全失業者にもフリーターにもカウントされない「ひきこもり」失業者は推定100万人といわれる。フリーターすべてが実質失業者ではないが、その大部分が高卒、大卒の若年層であることを考慮すると、大多数が実質失業者と見ることができる。わが国の失業率は実際上は10%を超えたと見なければならない。これは小泉改革の結果である。
ところが小泉首相は雇用問題に関心が薄く、「痛みに耐えよう」を繰り返すのみだ。中央省庁のキャリア官僚も失業者対策を考えようとしていない。政治家も官僚も「敗者」への同情心が欠けている。小泉政権の冷たさは恐ろしいほどである。
ブッシュ大統領は03年1月28日の一般教書演説で、「すべての働く意欲と能力をもつ米国民が仕事につけるようにするため経済成長政策をとる」と宣言した。さらに「米国政府の助けを必要とするすべての米国民を助ける」と公約した。
小泉首相はブッシュ大統領の子分のごとき存在だ。せめて、上記のブッシュ大統領の国民を慮った政治姿勢くらいは真似してほしいものだ。
ネオ・コンと米国流グローバリズムが永田町(政界)、霞が関(官界)、丸の内(経済界)を支配している。日本の国全体が米国の属国と化す方向へ動いている。政官財そしてマスコミ界の小泉政治支持派は、日本の伝統や文化、風土、慣習をないがしろにし軽蔑している。すべての面で米国的なものを尊重し、日本的なものを下位に置こうとしている。
この結果、日本は二極化している。東京とその他の地域、中央と地方、勝ち組と負け組、強者と弱者……。日本の高度経済成長を支え、また経済成長過程で育った中間層は分裂し崩壊した。いま日本社会は分裂と対立に苦しんでいる。
小泉政権はブッシュ政権の強いバックアップを得て強大化する勢いだが、国民に冷たい政治には一刻も早く終止符を打たなければならない。来るべき総選挙がその機会となる。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0566.HTML