現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産27 > 647.html ★阿修羅♪ |
|
UBS証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Securities Japan Ltd.)は今日のポイントとして、「5月の米国CPI等について」を挙げる。
<米国経済指標、予想比やや堅調な数字> 今週の注目データは5月の主要米国経済指標である。特に昨日公表された、CPI 、住宅着工、鉱工業生産は重要である。一言で言えば、「予想に比べてやや堅調な数字になったという印象である」と語る。ただ、同社では、「FEDが追加利下げを見送るほどの内容ではない」と考えており、来週のFOMCにおける25ベーシスの利下げ見通しを据え置く、と言う。この結果、日銀の政策に関しても、「7月ないし8月の決定会合で追加的な当座預金ターゲットの引上げが実施される、との予想を変更しない」
<米国では財価格とサービス価格の格差開く傾向続く> まず、CPIについては、コアが前月比+0.3%となり、市場予想を0.2%ポイント上回った。これは、財価格が−0.4%とマイナス幅を拡大させた一方で、サービス価格が0.5%の上昇となったためである。娯楽(ホテル宿泊料)、家賃、医療費、交通費(NYの地下鉄運賃上昇の影響も)の上昇が効いた。「米国では、財価格とサービス価格の格差が開く傾向が続いている」と言う。なお、当社では、今月のCPIコアの上昇は、一部サービス価格の上昇による影響が強いため、FOMCとすれば、ここ3ヶ月程度のトレンドを重視するものとみている。コアCPIの3月以降の移動平均は0.1%(年率1.2%)であり、これはFEDが暗黙のうちにターゲットとしている2%に比べて十分に低い。FOMCにおける、「追加利下げの可能性が高いとの読み」である。
<FEDの保険的な利下げが必要な状況にある> 住宅着工は年率で173.2万戸となり、再び170万戸レベルを回復した。住宅着工は 一進一退ながら、「依然として大きく調整する状況にはない」。特に5月は一戸建て が前月比1.5%増となっており、水準的にも、昨年の年間平均を1%程度上回っている。長期金利による下支え効果が継続している。 鉱工業生産は前月比+0.1%となり、市場予想比0.1%ポイント強めであった。ハイテク関連業種の生産(コンピュータ、通信機械、半導体製造装置)が引き続き堅調である(前月比+0.8%)。もっとも、ハイテク以外では生産の回復力は弱 く(前月比+0.1%)、特に、国防関係を除くと、生産は低迷状態にあるとみられる。この点からも、「FEDの保険的な利下げが必要な状況にあると考えることができよう」