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日銀は16日、4月30日に開いた政策委員会・金融政策決定会合の議事要旨を公表した。達成の義務や時期を明示せずに日銀が望ましい物価上昇率を数値で示す「インフレ参照値」について、何人かの委員が金融政策の透明性向上から有用との考えを示した。ただ実現の手段を欠くなどとの慎重意見も出され、議論は平行線をたどった。
インフレ参照値の導入に前向きな委員の1人は「物価の調整にかかる期間や費用を削減する効果があり得る」と指摘。目標を実現する過程で、局面ごとに異なる目標や手段を採用することも考えられると述べた。
ただ、複数の委員は目標を実現する手段がないと反論。逆に政策を分かりにくくしかねないとの発言もあった。これに対し委員の1人は日銀が「政策手段がない」と言うほど金融市場がデフレの長期化を織り込み、デフレが克服しにくくなる側面があると指摘した。
4月30日の会合では経済の先行き不透明感を理由に、金融緩和の度合いを示す当座預金残高目標を「予防的」に22兆―27兆円程度に引き上げた。 (20:08)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20030616AT1F1600D16062003.html