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国民年金保険料、滞納者から強制徴収
厚生労働省は自営業者らが入る国民年金の保険料滞納者のうち、経済的に余裕のある富裕層に対し、預貯金の差し押さえなどを含む強制徴収を十数年ぶりに実施する方向で調整に入った。保険料をきちんと納めている人との「負担の不公平」を和らげ、2004年の年金制度改革で予定している保険料引き上げに理解を求める意味合いもある。
国民年金の保険料滞納率(金額ベース)は過去最悪を毎年更新しており、2002年度も前年度(29.1%)より悪化したとみられる。徴収を受け持つ社会保険庁(厚労省の外局)が年六回の手紙や電話などで納付を求めているが効果は上がっていない。罰則がないことが一因とみられるため強制徴収に踏み切る。7月に正式発表する。
具体的には、来春までに社会保険庁が推計約270万人の滞納者に最終的な催告状を送る。その後の戸別訪問でも納めない場合、資産状況を調査し、一定以上の富裕層には期限までに納めないと延滞金利(年14%強)がかかる旨の督促状を送付。最終的には預貯金などを差し押さえる。
滞納比率は若年層ほど高いが、支払い余力が高いのに払わない人にまず焦点をあてる。督促状の送付対象者は数万人の見通し。資産や所得の把握が今後の課題で国税庁や市町村に協力を求める。
国民年金やサラリーマンの厚生年金など公的年金は全国民に加入義務がある。政府は法律上、滞納に対して資産差し押さえなどで強制徴収できるが、国民年金は徴収費用がかさむなどの理由で実施していない。1987―91年に5人の資産を差し押さえた例があるだけだ。
十数年ぶりに強制徴収に踏み切るのは、保険料負担に対する加入者の不公平感を和らげる狙いがある。公的年金は高齢者への給付を現役世代の加入者全員の負担で賄う「世代間扶養」。国民年金滞納の穴埋めで、厚生年金に加入するサラリーマンへの将来の給付原資が目減りしており「滞納を見過ごすのは不公平」との声が強まっている。