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BNPパリバ証券会社・経済調査部チーフ・エコノミストの河野龍太郎さん(Ryutaro Kono/Chief Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)は、多くのインフレ・ターゲット論者とは異なり、「リスク資産の購入の主体が必ずしも日銀である必要はない」とした上で、こう語る。「むしろ、(中略)政府と日銀の望ましい役割分担からすると、日銀ではなく、政府あるいは政府関係機関が直接購入する方がうまくいくと考えている」。つまり、非正統的な金融政策を政府が行うのである。手段については、「異論も多いだろう」としながらも、政府による大規模な円売りによる円安誘導が最も確実かつわかりやすいと考えている。
<日銀の役割=購入代金ファイナンス+インフレ醸成の出口政策> その場合の日銀の役割は2つある。(1)リスク資産の購入主体となる政府や政府機関に対して、購入代金のファイナンスを行うことである。日銀のもう1つの役割は、(2)政府が主導するインフレ醸成策の出口政策( Exit Policy)として、インフレ加速の阻止を担うことである。
<なぜ、インフレ醸成主体が日銀ではなく政府か?> なぜ、インフレ醸成の主体が日銀ではなく政府なのか。伝統的に反インフレ・バイアスの強い日銀がマイルドなインフレを醸成すると宣伝しても、その政策をやりぬくと人々に信じさせるのは容易ではない。実際、「多くのマーケット参加者が日銀のインフレ醸成政策に対して懐疑的なのだ」。それは日銀の「能力」に対してというよりも、「意志」に対してなのだ、と言う。 一方で、「反インフレ・バイアスを持っていない政府がインフレを作り出すとなれば、マーケットから信認は得られやすい」
<本来の意味でのインフレターゲットを導入すればよい> もともと政府あるいは政治家というものは、選挙にさらされているため、インフレの加速を容認してでも成長を高めたいものだと、人々は見なしている。だからこそ、インフレ時代の知恵として、インフレ加速を避けるために、中央銀行に政治的独立性を与えたわけである。 そして、日銀は、政府の作り出したインフレの行き過ぎを回避する役割を担うべきである。「インフレ加速を避けるという本来の意味でのインフレターゲットを導入すればよい」。これなら、中央銀行の反インフレ・バイアス的な行動と矛盾しないし、時間的非整合性の問題に直面することもないので、中央銀行としても受け入れやすい。また、「何より、人々から信認を得られやすい」。 さらに、インフレ加速を避けるためのインフレ・ターゲットであれば、デフレ終焉によってもたらされる長期金利上昇の加速を抑える上でも役に立つ。デフレの終焉は超低金利時代の終焉を意味し、長期金利のある程度の上昇を避けることはできないが、「行き過ぎた上昇を避けるために、インフレ・ターゲットは不可欠」としている。