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UBS証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS (Japan) Ltd.)は特別レポート「日銀の政策運営に関する中期見通し」をまとめた。日銀による資産担保証券の買い入れスキーム決定を受け、同社の日銀の政策運営に関する中期見通しをアップデイトした。なお、新たな中期見通しの背景として、資産担保証券の買い入れスキームの評価、および、日銀の政策の方向性に関する見方の再確認を行っている。 以下、テーマ別にご紹介(ほぼ原文通り)しよう−−。
<基本シナリオのポイント>
【1】量的緩和の拡大: 6月下旬の米FOMCの追加緩和(0.25%利下げ)を受けて、当座預金ターゲットをさらに拡大(30−35兆円へ)。7月会合(7月14−15日)が有力。
【2】輪番オペ増額追加: 政府による補正予算の決定をにらんで、月額2000億円の輪番オペ増額を決定。9月会合(9月11−12日)が有力。
【3】.銀行保有株式買取りスキームの条件緩和: 買取り株式の格付け基準の緩和(BB 格へ)、「Tier1超」基準の緩和、等。9月の金融政策決定会合日に開催される 政策委員会が有力。
【4】日銀法改正: 日銀法第33条の改正によって、金融調節目的での売買対象資産を 、「手形、債券」から「有価証券」へ。この結果、日銀は、政府による金融危機宣言等の大義名分なくして、購入対象資産のメニューを拡大。秋の国会に日銀法改正案が提出され、年明けに成立の運びとなるシナリオが有力。
【5】ETF、REIT購入: 改正日銀法の下で、まずはETF、続いてREITの購入へ(ETFは 来年2−3月会合が有力、REITは来年中)。
【6】外債購入: 当面は、非不胎化為替市場介入を利用できる状況で、敢えて、外債 購入に踏み込む理由に乏しい。ただ、日銀として運用資産分散の観点から外債を 保有するインセンティブはある。月額3000−4000億円程度の外債購入実施へ(来年前半が有力)。
【7】資産担保証券買い入れスキームの条件緩和: 裏付け資産に関する条件(貸出債 権である場合、「正常先債権に限る」)を緩和することに。今回の措置が貸出債権流動化市場の拡大に寄与しないことの責任を取らされる格好に(来年前半が有 力)。
【8】物価目標導入: 購入対象資産のメニュー拡大を目的とした日銀法改正を受け、 物価目標導入論が本格化。米国FEDにおける物価目標導入論の高まりもカタリス トに。中間段階としての物価参照値(参照レンジ)が導入されるかどうかは別と して、CPIコアで前年比1〜3%の物価目標(達成期限は明記せず)を設定させられる可能性(来年秋が有力、確率50%)。