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「ここへ来て前田社長はことあるごとに、『今年度はV字回復のスタートの年。我々はV字回復の道筋をつけた−』と発言し続けている。まさにこの“V字回復”は、みずほグループのキーワードとなりつつあると言えるだろう−」
みずほグループ幹部がこう言ってみせる。
なるほど、銀行持ち株会社、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)傘下のみずほ銀行、みずほコーポレート銀行両行が作製した収益計画を検証してみると、以下に示すようにまさにすさまじいばかりの上昇カーブを描くことを想定していることがわかる。そしてこの計画が実現されたならば、前田晃伸みずほFG社長の言う“V字回復”が達成されたということになるのだろう。
「しかし本当にこの“収益計画”の達成は可能なのかどうなのか、はなはだ心もとない、というのがみずほグループの内部にいる人間としての率直な感想だ」
みずほ銀行支店長がこう言ってみせる。
とりあえず、この両行が立案した収益計画を以下で紹介してみることにする。いずれも実質業務純益の推移だ。
みずほ銀行
02年度…3800億円
06年度…7100億円
08年度…8800億円
みずほコーポレート銀行
02年度…4000億円
06年度…5400億円
08年度…7100億円
中でも目を見張るのは、みずほ銀行の計画だ。同行は2009年3月期において8800億円の業務純益を計上する計画を立てているが、これは2003年3月期対比で131%増ということになるのだ。
「5年間で131%増という数字は、銀行業界の常識とあまりにもかけ離れている。無謀としか言いようがない」(大手都銀役員)
とは言うものの、この計画について言えば、その根拠、材料が全くないというわけではない。その最大の材料は、リストラ効果だ。
みずほ銀行は2003年3月期時点で62.0%だった経費率を、5年後の3月期時点で35.8%にまで圧縮するとしている。
つまりこうしたすさまじいまでのリストラ策を進めることで利ザヤの拡大を図り、収益を確保しようとしているのだ。
「とはいえ、グループ内部の試算では、今後3年間での経費圧縮額は、グループトータルでたかだか1600億円にすぎない。そうした点であの収益計画は、根拠が希薄だと言わざるをえない」(みずほグループ幹部)
それではなぜ、みずほグループ及び前田社長は、そうまでして“V字回復”にこだわるのだろうか。
「それは言うまでもなく、“収益計画”を前提にする形で、繰り延べ税金資産の計上が行われているからです。つまり、収益計画を低く設定してしまうと、それだけ繰り延べ税金資産の計上額が圧縮され、結果的に自己資本比率が低下してしまうのです」(メガバンク役員)
前回で、みずほ銀行及びみずほコーポレート銀行の繰り延べ税金資産の計上額が、国有化におい込まれたりそな銀行なみの水準に達していることについては触れたところだ。
つまり、みずほグループにとって自らの国有化を回避するためには、何が何でもV字回復のシナリオが必要だったことに他ならない。
前田社長には、ぜひとも頑張ってほしいところだ。
2003/6/10