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UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「債券相場は一段高へ」を挙げる。
<銀行、再び債券投資拡大を迫られる可能性高い> 5月のマネーサプライ統計は、M2+CD前年比が幾分回復した(+1.6%、広義流動性は+1.7%<簡易保険事業団解散に伴う特殊要因調整後)。「企業が、リストラによって捻出したキャッシュを流動性の高い金融資産で保有する動きが強まる傾向 にあると考えることができる」と語る。その一方で、貸出動向によれば、銀行・信金合計の貸出前年比は−4.2%と横ばいとなった(銀行計では−4.7%とマイナス幅が0. 1%ポイント拡大)。マネーサプライが緩やかな回復傾向を示す中で、貸出削減 のトレンドに大きな変化がないことは、「銀行が再び債券投資を拡大させざるを得 ない可能性が高まっている」ことを意味している。
<資産担保証券購入スキーム、”不良債権の飛ばし” へ発展?> こうした中で、中小企業金融支援を建前にした、日銀による資産担保証券購入のスキームが始動する。明日の金融政策決定会合でスキームの具体策が決定される運びである。注目点は、「日銀の資産担保証券購入が、銀行の貸出債権のオフバラ化をどの程度推進するものになるか」、であると言う。仮に、日銀が、甘い条件で、かつ、それなりの規模で、銀行の中小企業向け貸出債権をバックにしたABSを購入することになれば、銀行は採算性の悪い貸出債権を含め、積極的にABSの組成を行い、貸出債権の圧縮を図ろうとすることになるであろう。株式に続いて、貸出債権も日銀に引き取ってもらおうということである。これが、”不良債権の飛ばし” にまで発展するかは現段階では不透明であるとしながらも、こう指摘する。「銀行が、日銀による新たなスキームによって、貸出債権のオフバラ化を目指す可能性が高いのは事実である」
<> 日銀によるABS購入は、銀行の資産サイドの圧縮を可能にする。このため、流動性選好を背景にしたマネーサプライの緩やかな回復が継続すれば、銀行の手元資金は今後一段と拡大するものと予想される。そして、銀行が、バランスシートの健全化を経営戦略の課題とする限り、「その資金は債券市場に流入を続けることになる」と見ている。大手銀行への予防的な公的資金注入を実施する政府とすれば、銀行に貸出の維持を迫るものとみられるが、新規の貸出が増加する可能性は低い。「国債相場は明日の日銀の決定を受けて、一段高となるのではないだろうか」と予想する。