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セントラル短資オンライントレード・市場営業部長チーフディーラーの松田哲さん（Satoshi Matsuda/ Chief Dealer, Central Tanshi On-line Trading Co., ltd.） は、 先週末（2003年6月6日金曜日）の、米国雇用統計の発表後のドル円の動きは、「個人的には、意外だった」と語る。 5月の米国失業率は、[6.1％]。これは9年ぶりの悪い数字。 その後の市場（マーケット）の反応は、ノンファーム・ペイロール（非農業部門雇用者数）が 予想よりも良い[マイナス17，000]であったことに反応して、 むしろ、ドル買いに動いた。
＜覆面介入は、インサイダー的で不公平だ！＞ ここまでは、良い。 市場（マーケット）の動きとしては理解できる。 米国雇用統計の発表直前が、117円台ミドルから117円台後半であった。それ故、 ノンファーム・ペイロール（非農業部門雇用者数）に反応して、 若干、「ドル買い」に振れたとしても、[118.10-20]程度までの上昇ならば、 米国経済指標の反応として充分に理解できる。 ところが、118円台前半にとどまらず、118円台後半まで急上昇した。 これは、「介入」による値動きだろう（と、推察する）。 アナウンスメントを伴わない「覆面介入（隠密介入）」だから、 断定することはできないが、 すでに多くのメディアでも、「介入」が行われた旨の発表がなされている。 しかし、そういったメディアの発表も、本当は推測に過ぎない。 個人的には、この形式の―アナウンスメントを伴わない―「介入」は、 インサイダー的であり、 「必ず、介入を実施した銀行内では、介入が行われている情報が飛び交っていることを考えると、大多数の投資家にとって不公平だ」と言う。
＜最近の「介入」は米経済指標前、夜8時〜9時が多い＞ 個人的に、意外に感ずるポイントは、 米国雇用統計に伴って―米国の経済指標の発表の直後に― 「介入」が行われたことだと言う。 東京市場の時間帯以外で行われた、このところの「介入」は、「 たいてい、米国経済指標の前に行われていた」。 今は、夏時間なので、米国経済指標の発表は、 東京時間の夜9時半（日本時間21：30）に集中する。 だから、海外市場の時間帯で行われる「介入」は、 東京時間の夜8時〜9時にかけて行われることが多かった、と言う。 それは、「介入」が海外市場の値動きを荒らすことになるので、 そのことに配慮して、なおかつ、「介入」に使う資金を、少しでも減らそうとしての行動なのだろうと推測している。だが、 今回は、あえて米国の経済指標の発表の直後に「介入」を行ったのではないか？ として、こうコメントする。「エビアン・サミットで、ブッシュ米国大統領が 『ドル高政策を維持するコメント』を発表したので、 日本の『介入』は、米国も了承した上でのものだ、といったメッセージを、 マーケット（外為市場）に伝えたかったのではないか？ と、考えている」
＜介入の影響で、ユーロ安・ドル高に動いている＞ 日本の「介入」によって、ドル/円（USD/JPY）が、ドル高・円安に振れた影響で、 ユーロ/ドル（EUR/USD）が連れて、ユーロ安・ドル高に動いている。 「介入」の影響は、「様々な通貨取引にも影響を与える」と見ている。 個人的には、「介入」といった行為そのものには反対だし、 「介入」が、常に勝つなどとは、全く考えていない。 しかし、当面のところ、今回の介入は勝つのではないか？ と、考えている。 ユーロ/ドル（EUR/USD）は、現在のところ、 [1.1600〜1.1950]程度での修正局面が続いている。 先週のECB理事会の利下げをきっかけに、 さらに大きな修正になるのではないか？ と、考えていた。だが、 その思惑は外れて、結局[1.1600〜1.2000]のレンジ相場で、 ユーロ/ドル（EUR/USD）は、時間的な調整を現在進行中だ。 ユーロ高トレンドに、今のところ変化はない。 繰り返すが、レンジ相場で時間的な調整をしている最中だ。 「このユーロ/ドル（EUR/USD）の調整は、 いずれ、どちらかに、必ず、ブレイクする」という。 [1.1600]を割り込んで行くようならば、「介入」の勝ちになるだろうし、 [1.1950〜1.2000]のゾーンを、上に突き破って行くようならば、 さらに、「大量介入」を見ることになる、と見ている。
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