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【シンガポール=深沢淳一】小泉首相は日韓首脳会談に先立って、5、6の2日間、マレーシア、フィリピン、タイの首脳と相次いで会談したが、FTAを巡る議論は目立った進展がなかった。東南アジア諸国連合(ASEAN)などとの間のFTA締結を巡っては、先行する中国に続き、アメリカも囲い込みに積極的で、日本が出遅れる懸念が強まっている。
アジア勢と日本の一連の会談では、特に、年内のFTA締結を目指して正式交渉開始を強く求めるタイとの協議が焦点となった。だが、農業輸出国・タイと交渉入りすることには日本の農水省などが消極的で、日本国内で調整が、なかなか進まないのが現状だ。
今回の会談でも、今後の交渉の進め方についてさえ、両国間で合意ができず、「(今後の)作業が迷走する可能性もある」(ASEAN通商筋)と、先行きを危ぶむ声が出ている。
これに対して、アメリカは、対アジアFTA戦略を着々と進めている。ロバート・ゼーリック米通商代表部(USTR)代表は先週、アジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易担当相会議に出席するためにタイを訪れた際、「タイが、まず経済を開放することが必要だ。知的財産権保護やサービス分野の自由化を含め、協議には時間がかかる」と指摘した。
さらに、交渉開始時期を「来年末まで」とタイムリミットも主導して設定、その間に、タイ側にコピー商品対策や投資規制の緩和に取り組むよう促した。
アメリカ側は5月に調印したシンガポールとのFTAに関しても、日本がシンガポールとのFTAで求めなかった金融分野への参入拡大を認めさせるなど、アメリカ企業の利益拡大に直結するような内容を盛り込ませ、したたかな戦略を展開している。
一方、中国は対ASEANのFTA交渉で、来年6月までに関税の撤廃交渉を終了する予定で、今年12月に、ようやくASEANとFTAの枠組みを決める協定に署名する日本に比べ、スケジュールが先行している。
(2003/6/7/22:13 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20030607ib24.htm