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半世紀ぶりに、コメの先物取引市場を復活させよう――。そんな機運が高まっている。国会
で審議中の改正食糧法が成立すれば市場開設が可能になるため、各地の商品取引所やコメ卸業
界などが準備を始めた。消費者にとっても商品の多様化や価格の乱高下防止といった効果が期
待される。
先物取引は、将来のある時点に一定の価格で売買する契約をあらかじめ結ぶ仕組み。先物取
引を活用すれば、天候による作柄の出来不出来などで価格が変動する商品を扱う場合、損失を
減らすことができる。江戸時代の18世紀に大阪・堂島のコメ取引で始まったのが世界の先物
取引の先駆けとされる。国内では現在、穀物や貴金属、ガソリンなどが商品取引所に先物取引
の対象として上場されている。
コメの先物市場は戦前は各地にあったが、戦時統制経済や戦後の食管制度下では認められな
かった。だが、95年の食糧法への移行後、生産や流通の自由化が進み、コメ全体の価格が下
落する中、人気銘柄米は価格が上がるなど、格差が広がっている。価格変動リスクも顕在化
し、取引多様化の一環として先物市場への期待が高まってきた。
また、先物取引が注目される背景には、コメ価格の指標をつくる自主流通米価格形成センタ
ーが十分には機能していない事情もある。農協が事実上、売り手の立場を独占し、「現状はコ
メ過剰で価格はもっと下がるはず。市場原理が働いていない」(関係者)と指摘されている。
農水省は「コメは生産調整や輸入の制約などの事情があり、先物の早期導入は望ましくな
い」としつつも、「将来の必要性」を認め、改正食糧法で条件付きで先物の解禁を認める。
歓迎しているのは卸業者だ。仕入れから販売の間でも差損を抱えたり、人気銘柄の価格急騰
もあったりで、「リスク分散ができないと安定仕入れもできない」(大手)。卸業主体で設
立・運営する株式会社の日本コメ市場は来秋にも先物取引ができるよう電算システムなどの準
備に入った。
東京穀物商品取引所も今年度中に、識者らを集めた検討会の報告をまとめる。「投資家の資
金の厚みが大きいうちが有望」(森実孝郎理事長)と強調。関西商品取引所(大阪市)や中部
商品取引所(名古屋市)なども意欲的だ。
ただ農協などには「先物は投機のイメージが強い」との反対も根強い。農水省は先物を認め
る場合、国や農協の影響力が残る同センターを改組して中心的な市場にしたい意向とされる。
(06/08 09:39)
http://www.asahi.com/business/update/0608/003.html